再びウェールズへ(5)ボストンロッジの車庫 [railway visit]
【Boston Lodge】
フェスティニオグ鉄道(FR)はハーバー駅(Porthmadog Harbour)を出発するとCobと呼ばれる干拓用築堤を渡りますが,渡りきったところに車庫と工場を兼ねるBoston Lodge Worksがあります.ウェルシュハイランド鉄道(WHR)も同じ事業体ですので,この車庫は両線の現役車輛や修理中の車輛が保管されています.見学は予約が必要とのことで,前回訪問時は切符売り場で問い合わせ先の電話番号を書いた紙を渡されたのですが,時間がなく,築堤から写真を撮っただけでした.今回も同様の対応で,電話番号を教えてもらったのですが,Tさんが朝から何度か電話してもつながりません.結局FR線で戻る途中,Boston Lodge駅で降ろしてもらい,事務所で事情を話したところ見学の許可がもらえました.
▲Boston Lodgeの駅から上がったところです
▲この工場・車庫はCobを建設するために土砂を切り出した跡地に建てられています.多くの建物がならんでいて,その一部とヤードを見学しました.
なおFRが保有する車輛についてはこちらに一覧と解説があります:
▲ラジエターにPlanetというブランドがついていますが,1954年Hibberd 製のディーゼル機Upnor Castleです.英空軍で使われのち,いくつかの路線を経て1968年にやってきて2ft.6in.ゲージから改軌されています.
▲1965年Hunslet製の8.5トン機Moel y Gestです.前述の機関車と同様,英空軍で使われのち,2004年にやってきて改軌されています.
▲モザンビークからの注文流れ品で,1983年Baguley-Drewry製のディーゼル機Harlech Castleです.
これらの珍しい内燃機の維持は結構大変そうで部品取りの機関車もあるようです.
▲機関庫の前には機関車の下回りや車輪が転がっています.ゲージが狭い(597mm)からか車輪が模型並みに厚く見えますね.
▲車庫からの眺めです.
▲2010年にここで製造された2-6-2型蒸機Lydが車庫にいました.2台のフェアリー機とともに旅客輸送に稼働中です. Lynton and Barnstaple Railwayで使われたManning Wardle製機関車のレプリカでSouthern Railwayの塗色で仕上げられています.
▲1893年Hunslet製の2-4-0 Lindaはオーバーホール中
▲これは最近引退した双頭フェアリー機Earl of Merionethの下回りでしょうか?新しく建造予定の機関車に流用されるのかもしれません.
▲ナミビアのダイアモンド鉱山用に南アフリカで1993年につくられたB-B型のディーゼル機Vale of Ffestiniogです.
この写真の反対側にはFRの開業時の蒸機でリビルドされたPrinceなど貴重な機関車がいくつか保管されていましたが,収蔵庫の照明がなく,撮影はあきらめました.アメ車もあったはず.
▲これは中国の蒸機,C2型0-8-0のキャブとテンダーの残骸です.全くの予習不足で実機のことを良く知らないのですが, Tさんが車庫の外に放置されているのを見つけて教えてくれました.そのWebサイトには作業状況が記されています:
それぞれの復元事業はプロジェクト制になっていて車庫も別にして収納されているため,担当者に会うことができないと進行状況などを確認することは難しいようです.
▲客車用の車庫です.
▲この車庫ですが,手前に開いている扉に注目です.スパイラルのところの建物もそうでしたが,窓枠は描かれたものです!
▲車庫を見て回っている途中で築堤から列車がやってきました.
▲15:50発のBlaenau Ffestiniog行きの最終列車です.
【築堤を渡ってハーバー駅へ】
Boston Lodgeから起点のハーバー駅まではCobが2㎞ほど続きます.線路脇が遊歩道なので歩いて戻ります.
▲一日の仕事を終えたガーラット機が回送されてきました.Cob脇の遊歩道で列車の通過を眺めながら,ゆっくりとハーバー駅に向かいました.
▲ハーバー駅に戻って一息つきます.やがて18:30着の最終列車が返ってきました.
▲駅の奥は蒸機のメンテ場所になっています.灰落としと給炭を済ませるとBoston Lodgeの車庫に回送されます.
ハーバー駅構内は模型,書籍を扱う売店とビールを飲みながら食事ができるバーが隣接しているので夜までゆっくり過ごせる楽園です!ポースマドッグはもう1泊して明日は移動します.
2018-06-07 14:33
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コメント(2)
アポなしで見学させてもらえたのはラッキーでしたね。
私も再度ウェールズ行けたら行きたいので、また連絡先教えてください
by ゆうえん・こうじ (2018-06-13 03:26)
ポースマドッグの切符改札で申し出ると,電話番号を教えてくれます.当日は誰も電話に出なかったので現地の事務所で事情を話すと許可してくれました.中は自由に見せてくれましたが,車種ごとに作業責任者が異なりしまわれていますので,特定の車種にこだわる場合は事前に聞いておくべきです.またガーラットKクラスはDinas,クリッター類はMinfforddにあるみたいです.組織が大きいので非公開のところはちょっとアプローチしずらいです.
by nkoizumi (2018-06-15 09:01)