SSブログ

なべ倒し [O-scale structures]

R0011600m.JPG
なべトロ(転倒するなべを載せたトロッコ)は土木軌道に欠かせない車輛です。実物では手動で倒すシーンを見ますが、模型としては自動転倒の動作を眺めることができます。それも簡単な仕掛けがあれば、なべを走行させるだけで転倒と戻しの操作を手軽に実現することができます。
 
【市販の転倒装置】
ドイツ型製品にはたいてい動作可能ななべトロが用意されており,Nゲージではミニトリックス.アーノルト,フライシュマンのすべてに転倒装置が用意されています.これをHOナローに利用したレイアウトとしては林伸憲氏の「汽車の来るジャンク置場」(TMS454号,ナローゲージブック1所収)が知られています.
P4172785.JPG 
これはフライシュマンNの転倒装置です。カーブした覆いについている斜めの突起が右から進入時の転倒ガイド、線路手前の下からの突起が後退させたときの戻しガイドになります。
P4172784nabeplay.JPG 
フライシュマンNのなべトロです。相当なオーバースケールと思われますが、各社製品とも機能優先で、ほぼ同じ形をしています。軸受の下に突起が出ていて転倒装置を通過する際に車輛ごと転倒しないように抑える構造になっています。
 
【HOナローの転倒装置】
かつて製作したHOナローレイアウト「からくり鉱業」(TMS’95 10 月606号)ではROCOのなべトロを使った砂利の積み下ろしができるよう,ホッパーと,独製品を参考に作った転倒装置を組み込んでみました.
P4192798.JPG 
レンガの建物の手前にあるのが転倒装置です。なべトロはロコの製品で、なべを支えるポッチを落として転倒できるようにしています。ただし車体が軽すぎるので頻繁に脱線します.Oナローでやれば動作も安定して面白いのではないかということで同様のしかけをつくってみました. 
 
【Oナローの転倒装置】
なべトロはアルモデルの製品を使います。フレームはチャンネル材(コの字型)になっているので、その部分を挟み込む構造にすれば同様な転倒装置が作れます。
R0011507m.JPG 
R0011508m.JPG 
プラ板と真鍮線でつくりました。右から進入する仕様です。フレームを支える部分はプラバン、転倒と戻しのためのガイドは1ミリの真鍮線です。PECOのO-16.5用の線路を通すような設計になっています。
IMG_20200416_0001m.jpg 
手書きの図面がありますので設計の参考にどうぞ。
R0011556m.JPG 
波板の屋根を載せて完成しました。
R0011558m.JPG 
トロッコのフレームを挟み込むガイドが両側にあるのがわかります。
R0011557m.JPG 
倉庫に付着した形にしました。
R0011561m.JPG 
写真には写っていませんが、積み荷は粗めのバラストなどを使いました。
R0011598m.JPG 
6輌ほどをつなげて推進させて転倒の様子を眺めるのは楽しいものです。ただし、機関車は転倒装置に進入できないので、なべをすべて転倒させるには間に平トロを一両入れます。
R0011601m.JPG 
2009年の夏のコンベンションでは手回し発電機を使った往復運転のかたちで展示しました。
実際のバラストの積み下ろしを実現するためには積み込み用のホッパーが必要です。
R0011607m.JPG 
これが同時に製作した実動のホッパー棟です。これについては別の機会に述べるつもりですがこちらで簡単に触れています。https://karatcreek.blog.ss-blog.jp/2018-11-08 (Polaの鉱山用ストラクチャーキット)
 
実際にバラストの積み下ろしは、バラストが飛び散る上、ホッパー側の積み込みが結構大変です。からナベの転倒だけを眺めるというのも楽しみ方のひとつと言えます。


nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。