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小さな日本型単端をつくる [O-16.5mm (On30, O16.5)]

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 2007年に製作した作品で,日本型の典型的な単端式気動車を短くしたものです.動力には天賞堂のGTシリーズという現在は生産が中止されたパワートラックを使いました.強力なモーターがフレームに直接組まれています.一台ずつあった軸距24.5mmと31mmを使って2輌製作しました.
 
【設計】
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図面をみていただくと分かりますが,側面の窓配置は井笠鉄道の日車初期型ジ1をヒントにしました.ただし,ずっと小振りでドアの位置は左右対称です.また妻板は西大寺の梅鉢型のように雨どいに緩やかなカーブをつけたデザインにしました.また,2輌のうちの一両は九十九里の丸山型単端にみられるようなわずかに傾斜したラジエターグリルを付けてみました.
つまり,日車,梅鉢,丸山を寄せ集めて小さな木造の単端を仕立ててみたわけです.無骨なボンネットの方はフォードT型のエンジンを備えています.これは日本の初期の自動機客車に多く用いられています.設計を開始した頃にアルモデルから夷隅の自動機客車が発売されましたが,これより客室は大きく,旅客用としての役割は立派に果たしてくれると思います.小振りにまとめたかったので,縮尺は1/48のつもりで設計しました. 
 
【上まわり】
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 車体は筋目入り(V-groove)の板を用いることも考えましたが.型紙とあわせる手間があるので通常のプラ板を使用し,0.5mm2枚の重ね合わせとしました.3mmプラ角棒を補強として上端と下側に入れ,屋根と床板の支えにしています.木目の仕上げは80番のサンドペーパーで行いました.
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屋根はストックしてあるHO用の屋根板を使うことにしました.これをやすりやドレッサーを使って整形しましたが,木目が粗くサーフェサーを吹いただけでは木目が残っていました.パテによる補修が必要かとも思いましたが,アサヒペンのストーン調スプレーを吹いたところ,すっかり見えなくなり.それらしく仕上がりました.ストーン調スプレーはモルタルやコンクリート壁の表現に重宝していますが,Oスケールだと粗めの屋根の表現にも使えます.
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車体を組み上げたあとに,シル,ヘッダー,雨どいをつけますが,これらはエヴァグリーンの帯材を使いました.雨どいは車体上縁よりも0.5mmほどはみ出して取り付けており,これにより僅かに屋根板を落とし込む構造になっています.窓枠は0.3mmから切り出しています.当初は別塗色の予定でしたので,車体を組み上げてから取り付けています.変化をつけるために側面の窓の一部を開放としました.床板はプラ角棒にねじ止めしますが,屋根板のほうは真鍮の切れ端で固定用金具を作り,中央で木ねじ止めとしました.
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【ボンネット】
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 ボンネット部分はミニカーからの流用も検討しましたが,結局2輌の形状をかえてつくることにしました.まず,一両は無骨な垂直型ラジエターを備えたもので,側板は開放とし,エンジンが見える状態としました. Ford T型の4気筒ガソリンエンジンは初期の自動機客車の動力として使われていたもので,Ford T Inspection Car(SS Ltdキット)を動力化したときに余ったパーツを使いました.クランク軸がバンパー中央に貫通する状態で取り付けました.もう一両は九十九里の単端に見られるような1934年式以降のフォードに似た多少傾斜したラジエターグリルをまとめてみました.
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【下まわり】
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 床板には1mmプラ板を用い,段差をつけてパワートラックを固定する,いつもの方法です.軸受けはエコーモデルの貨車用で,平軸受のままとし,ブレーキシューの片側だけを残して使っています.また固定部の片側はパワートラックに当たるので切り落として取り付けました.
 パワートラックはフォードTエンジンの方が24.5mm,もうひとつが31mmの軸距のものを使用しました.
 排障器は当初路面電車用のものを付けてみましたが,もっと素朴なほうがよいかと考え直し,プラ角材でまとめました.
 
【仕上げ】
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 2色塗装とし,いつも使っている調色としました.フォードTエンジンの方は22号とし,西武ラズベリーと西武ベージュ,もう一両は23号とし,タミヤミディアムグレーとGM青15号の組み合わせです.つや消しスプレーを軽くかけたあと,ウェザリングをほどこしてあります.
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A2サイズのかたばみ軌道で撮った一枚です.国籍不明の車輛に混じって時々走らせています.
 
 
 


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鉄道模型用電源 パワーパック [model railway]

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パワーパックと呼ばれる鉄道模型用電源に凝るつもりはなかったのですが,それでも色々と使ってきました.手放したものもありますが,残っているものを並べてみることにしました.
 
【AC変圧器】
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まずは交流3線式Oゲージに入門セットに入っていたトランスです.2次側コイルのタップ配線から電圧が選べるようになっています.パネル左側に空いている孔はパイロットランプがついていたところです.ランプは重要でした.というのも保護回路がないのでランプが暗くなったらどこかでショートしているか,過負荷であることに気づくわけです.当時は同級生がトランスを焼いたなどと自慢することがあったぐらいで,今なら子供向けにこのようなものは販売しないでしょうね.
 
【抵抗式DCコントローラー】
HOを触るようになって直流のパックが必要でしたが,値段も安くないので自作しました.トランス,セレン整流器,レオスタット(コイル式可変抵抗器),それに反転スイッチがあれば作れたわけです.缶に入れたものは随分愛用しましたが残念ながら残っていません.
ほかにはHOレーシングカー用のコントローラーも使いました.値段が安く,親指で押す形状のものはスロットルのバネをはずして指を離しても位置が変わらないで使えるようにしました.
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Nゲージを始めてからは積水金属が出していたコントローラーを一時期使っていました.写真はカタログのもので現物は残っていません.コンパクトでいいのですが,操作レバーは使いやすいものではありませんでした.
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今手元にある抵抗式コントローラーはバックマンのセットものに入っていたものです.この手のものは逆転スイッチがなく,中央が0値で,スイッチを使わずに左右で前後進ができるので意外と便利です.コンパクトな点もいいので残してあります.
 
【電子式DCコントローラー】
いわゆるトランジスタコントローラーなる定電圧型のものが流行り始めたころ.製品は手作りな感じのものが多く,値段も高価だったので購入は見合わせていました.回路図が出回っていたので自作すればよかったのかもしれません.少し落ち着いてきたころに手にしたのは模型店ですすめられた電源分離型のハンディコントローラーでした.すでに手元にはなくメーカー名がうろ覚えで検索したのですが探し出せませんでした.
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その後電子制御型が一般化しました.電源部分との一体型が欲しかったので手に入れたのがこの積水金属のパワーパック・スタンダードです.パネル面はシールを貼ったように安っぽかったのでプラバンを黒に塗装してはめ込みました.ロングセラーでした.
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このパワーパックは長らく使っていなかったのですが,KATOのサウンドボックスを手に入れたとき,簡単に接続ができるので再び利用しています.
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Model Railroaderの裏面広告でよく見かけたのがMRCのパワーパックです.Tech IIシリーズはパルス制御を売りにしており,パワーパック1台で車輛のすべての走りが改善できると宣伝を打っていました.しかも通販で取り寄せても日本の製品よりも安かったのです.そこで左側のRailpower 1400を購入しました.確かに走行は改善されたので右側にあるコントローラー2台を一つにまとめたRailpower 2800を入手しました.これらは今も良く使っています. 
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MRCのパワーパックで十分だったのですが,その後Bachmann Spectrumシリーズのセット物を買うたびにパワーパックがついてきて,3台たまりました.こちらも使い勝手の良いコントローラーです.
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Bachmannのセットではこのような電源を分離したタイプがついているものもあります.
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よりコンパクトにしたいと,こちらはZゲージを展開したAKIAの10Vコントローラーです.電源は分離されており,KATOと互換の接続端子を持っています.やたらにLEDが点灯する賑やかなコントローラーです.
 
【電池式コントローラー】
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左は知人に教えてもらったワンダーキットのモーターコントローラ(一部改造)をCasio G-shockのケースに収めたもので単3電池4本の6Vで駆動しています.使いやすくずっと愛用しています.さらにコンパクトなBaby-Gのケース(右)に収める準備をしているのですが,まだ作っていません.
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その後単3を4本使うコントローラーが鉄コレ式制御器として発売されました.形がおもしろいので手に入れました.
 
【手回し発電コントローラー】
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モーターを発電機として使う手回しコントローラーは仲間の間ではブームになりました.これらは携帯電話用の手回し充電器ですが,回路を外してモーターと手回し機構だけにしたものです.素朴な機材ですが,手回しで車輛を走らせる感覚は結構楽しいものです.
 
【DCCコントローラー】
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DCCコントローラーとして最初に入手したのはLENZ compactです.なかなか凝ったデザインです.
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こちらはBachmannのE-Z command.セット物でした.DCCはたまにしか使わないのですが,すぐに使い方を思い出させてくれる面で大変便利なコントローラーです.
 
以上が今手元にあるパワーパックの数々です.新たにそろえるとしたら次はワイヤレスコントローラーでしょうか?


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