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ビューイックのレールカー Buick Railcars [O-16.5mm (On30, O16.5)]

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Bachmann On30 Rail Truck をレールカーに改造した作品2題(2013年作)です。
 
【バックマンのレールトラックを客室のあるレールカーに】
バックマンOn30のレールトラックは、Rio Grande Southernが自動車を改造してつくった独特の形からGalloping gooseと名付けられたレールカーのひとつで、コロラドのリッジウェイ鉄道博物館にレプリカが保存されています。
一連のグース類の中では小型で小カーブにも対応できるのがうれしいです。模型のモーターはエンジンルームに入っており、後輪を小さなプラのべベルギアを介してシャフトドライブする、実物を模した凝った構造になっており、DCCが装着されています。
荷台を客室にしたレールカーに改造してみようと構想を練っていましたが、2013年の軽便鉄道模型祭でクリッターズクラブがレールカーを特集することになり、出展に向けて着手しました。
優雅なラジエーターグリルは1925年のBuick Master Sixのものです。これにちなんでビューイックのレールカーと呼ぶことにします。2台のストックがありましたので、それぞれ異なるスタイルに仕上げることになりました。
 
【北米風、緑のレールカー24号】
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ヒントにしたのはSilverton Northernの救急用レールカーCasey Jonesで、モデルでも知られていますが、そのくせのある形をかなり抑えめにアレンジしたものです。
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客室の切り抜き用図面は下回りに定規をあてながら直接方眼紙に書き、もう一台と同時にタミヤプラ板から切りだしました。
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まずダイキャストの荷台の両側を切り落として幅37㎜とし、荷台が車体側面の中に入るようにしました。車体には1㎜厚のエヴァグリーンの2㎜筋目板を使っています。2㎜といってもインチ基準なので、少し伸びていて1㎜方眼紙には合いません。現物対応です。車体幅は41㎜です。タミヤから5㎜のL型プラ材が発売されましたのでそれを車体の内側にとりつけ、荷台とねじで固定しています。側面のドアは折戸とし、しっかりしまっていない状態にしています。
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屋根も同じ素材で、筋目を内側にして曲げ癖をつけた上で補強桟をいれ、瞬間接着剤を筋目にながして固着しています。運転席側の屋根部分も同様につくって、裏側で補強しながらつなぎ合わせました。屋根はスエード調缶塗料で仕上げました。
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開閉可能なエンジンフードはそのまま使いましたが、ノーズが長すぎるので、フードと客室の間はプラ板を重ねて2㎜ぐらいに縮めました。
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緑色に塗装しました。
 
【南米風、青いレールカー25号】
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ブラジルにあった鉱山の人員輸送用車両の廃車体で、エンジンが外されて、朽ち果てた状態の写真をWebで見つけました。このイメージをヒントに第2作をつくりました。
作りかたは基本的に同じですが、こちらは荷台をそのまま使っています。つまり下回りは車体を固定するためのねじ孔以外何も加工していません。客室は荷台にのっかるかたちです。前方はドア部分で車体幅を絞っています。
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プラ車体は表面が0.5㎜厚、内側は一部の窓枠を兼ねた0.3厚で、エヴァグリーンの細い線材を表面の接合部分に使っています。屋根は40㎜幅の木製屋根板を使って整形しました。
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客室内側にはタミヤ3㎜Lプラ材をとりつけ、荷台にそのまま載せてねじで固定しています。
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車体は青色、屋根はストーン調スプレーを吹きました。
 
【ワンオフ・レールカーの面白さ】
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製作した2輌は元ネタのバックマンのエンジンまわりと下まわりが精密にできており、そのおかげでかなり引き締まったものになりました。しかし、久しぶりに取り出してみたところ緑の24号はギアがスリップしているようで走行しません。動力の分解点検が必要なようです。
 
日本でも根室拓殖軌道の銀龍号をはじめとして、現場調達の一台限りのレールカーが存在します。手元には安いHOプラ製品の2軸トロリーが数量あるので、こちらは日本風のフリーランスレールカーとしてまとめていきたいと思っています。 
  


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スーツケース可搬レイアウトの雑誌掲載と、 “木尾根坂線”命名の由来 [O-16.5mm (On30, O16.5)]

この分解収納型レイアウトは新しい作品ではないのですが、雑誌に掲載されたこと、名称が決まったこと、コロナ肺炎対策で中止となった池袋鉄道模型芸術祭に出展する予定だったこと、などで少し書きとどめておくことにしました。
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これは2018年のJAMコンベンションに出展した時の写真で、製作工程の最後はこちらに記載しています;
https://karatcreek.blog.ss-blog.jp/2018-04-23 ”新たな土地?に小屋が三つ建ちました”)
このレイアウトが掲載された雑誌はフランスのナロー誌Voie Libre(ヴォア・リブル)です。100号記念で世界中から記事を集めたいとのことで依頼がきました。投稿の内容についての指示はなかったので2,3の作品紹介を送ったところ、このレイアウトをとりあげたいとの返事をすぐにもらいました。スーツケースに収めて交通機関で運べるということに関心を持ってもらったようです。
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これがその雑誌の表紙でフランス語版と英語版があります。季刊でサイトはこちらになります:
雑誌のコンセプトは”The magazine of railway creators”となっていて、工作一辺倒というよりも鉄道の世界を創ることに重点を置いた全頁カラーの明るい雰囲気の雑誌です。あまり手にする機会がないかもしれませんが、日本の製品も紹介されています。ぜひご覧になってください。サイトから注文することができます。
このレイアウトの記事は4ページで掲載されました。表紙右上にも写真がでています。一連のパネル組み合わせレイアウトですが、どこでけじめをつけるかで伸ばし伸ばしになっていて雑誌への投稿もしばらくしていなかったのですが、意外にも海外誌からのお声がけで良いけじめとなりました。少し写真を並べてみます。
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左側のパネルで川があるため表を下にしている。
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中央のパネルです。
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右側のパネル部分です。
自分でも混乱するぐらいパネルがあり、随時ストラクチャーを置いて情景をつくるものは“奥岳(おくだけ)線”、箱組で収納するものは”向が原(むかいがはら)線“と名付けてあるのですが、この分解収納のセットには名前がありませんでした。この機会に木尾根坂(きおねさか)線と名付けました。尾根も坂も見当たらないのですが、逆さ読みしてください。パネルの重ね置き(かさねおき)となります。
 
2020年3月21-22日に開催が予定されていた池袋鉄道模型芸術祭はコロナウイルス対策として開催が中止となりました。その代わりというか、桜が早く開花し、近くの公園は大賑わいでした。
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このレイアウトは雑誌掲載を機会に今回の模型芸術祭にも持ち込む予定でした。
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出展のためメンテをしてしばらく走行を楽しみましたが、再び収納(重ね置き!)となりました。
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