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落とし場のあるレイアウト ストラクチャーを置いて [S-9mm]

このレイアウトは手軽な運転盤として使うつもりなので,重ねて収納でき,ビニール袋でも持ち歩けるように厚みがないものにしています.そこでストラクチャーは適宜置いて使えるものを2棟用意しました.まずは小屋から.

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工作用段ボールで大きさを決めましたがこれ自体は使いません.3ミリ厚のバルサシートで組みました.

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塗装はアルコールで薄めた墨汁だけです.屋根はボール紙の上にリップル紙で波板を表現しました.波板は重ねているようにも見えますが,横筋をいれてところどころめくれ上がったようにした簡易な工作です.塗装はパステルです.角材の上に載ったストラクチャーで,レイアウト右手前の集電端子脇に置くようにしています.

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もう一つは通り抜け倉庫です.Oナローでもよく使う手で,トンネルのかわりにループが分断しているように見せるためです.

紙のモックアップで形を決めますが,このモックアップをそのまま利用しました.

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ボール紙のモックアップは3ミリ角棒で補強を入れて,表面には現物合わせで波板を張ります.波板にはPlastructのフォーム成型のシートを使いました.

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屋根の粗目の波板はリップル紙です.

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建物はのせるだけですが,車輛が通過するため適当にというわけにはいきません.そこで地面に埋め込んだ4本の爪楊枝が内側の4隅になるようにして位置決めができるようにしました.せせらぎの水の表現は弱いのですが,写真のこの角度だと水面がほどよく光ってみえます.ささやかな4駆の水遊び場です!

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出来上がった二つのストラクチャを置きました.この状態でレイアウトはひとまずの完成です.鉄道車輌だけでなくミニカーを置いて楽しんでいます.

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反対側からの眺めです.レイアウトの外に伸びる側線につながるモジュールを計画中で,Oナロー同様にSナローもトラックモジュールとして増えていきそうです.

落とし場のあるレイアウト 地面をつくる [S-9mm]

レイアウトは最近,電車での持ち歩きが可能,というものを主体に作り続けています.このたびのSナローの展開でも最初のレイアウトはA2判サイズでつくりました.立体的な作りこみはなくフラットに収納できてストラクチャーは置くだけというものです.ストラクチャーを置かなければHOナローとしても共用できます.

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今回のシーナリーは山を置かず,鉱石,砂利やボタ捨ての引き込み線,そして小川などを配したもので,なるべく薄く収納したいことからパネルの裏面を使うことにしました.プランはループの内側と外側に引き込み線があり,内側の引き込み線は積み荷をダンプカーに移す落とし場になっています.内側の引き込み線にはダイオードを入れてあり,自動往復に備えています.PECOの009のフレキシブルとYポイントを使っています.線路敷設用のべニア板を入れる方法でプランを具体化してきます.


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沈み込み型の地形は発泡スチロール板で整えています.


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この上にべニアパネルを載せ,線路を敷設しています


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Oナローではプラスターの土台にキッチンペーパーやプラスタークロスを使うことも多いのですが,今回は直にプラスターを塗りました.べニア板には防水のための塗料をぬり,ボンド水溶液を塗布したうえでトミックスシーナリープラスターを塗りました.部分的には茶こしを使って粉のまま振りかけています.


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線路はバラストを撒く前にウッドブラウンの缶スプレーでレール側面をウェザリングしておきます.バラストまきが終わったところで塗装です.シーナリーの下地塗装はウッドランドのアースアンダーコートを薄めに溶いて塗りタミヤの水溶性アクリル塗料のバフなどでアクセントを付けましたが,あとからの色調調整も考えて色は明るめです.一か所ある橋はプラ棒製です.


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緑はターフなどのスポンジ系とSilflorなどの繊維系を併用しています.

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小川の水はグロスメディアムの筆塗で表現しています.

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落とし場の部分です.板の部分はバルサシートでつくりました.

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ひとまず地面が完成しました.この状態で運転盤として楽しめますが,この上に載せるストラクチャーの製作にとりかかりました.

Sナロー蒸機をつくる その2(パーシーの下回りとともに) [S-9mm]

さて,パーシー機との2機同時進行となりました.
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車体が組みあがり,屋根を載せるところです.屋根には曲げやすいようにエヴァグリーンの0.5ミリ厚筋目板を使っています.
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シャーシーに載せた2機.取り付け用のねじ孔を切る位置に苦労しますすが,2機ともにシャーシーとボディはねじ固定できるようにしています.
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フライシュマン機にエンドビームを取り付けますが,前後ともバッファーの突起に差し込んでいます.安全弁と汽笛のパーツはロストワックスでトーマモデルさんがイベントで放出したものだと思います.煙室ハンドルはアルモデルの余剰エッチングパーツです.
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完成して5号機となりました.塗装はグレーのサーフェサー吹き付け,艶消し黒の吹き付け,黒のウェザリングパウダー塗布,艶消しクリアー吹き付け,再ウェザリングの手順です.
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パーシー機も同様にして形ができました.サイドタンクよりもせり出たボイラーの下部の一部が動力ブロックの関係で露出しますので板で覆いました.
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同様に塗装し,完成して6号機となりました.
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シリンダーと輪芯の緑色は今一つなので,検修の折塗り替えるかもしれません.
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設計のもとになったOナロー機と並べました.Oナロー機のしたまわりはアルモデルのフェルトバーンSLのパーツを利用したものです.
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Sナローともいえるジュエフのドコービル,ミニトレインズのバグナルと並べてみました.
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レイアウトに入線して試走開始です.パーシーは再生産が予定されているので,もう一機,デザインを変えて作ってみる予定です.

Sナロー蒸機をつくる その1(フライシュマンの下回りを利用して) [S-9mm]

内燃機が揃ったところで次は蒸機をつくることにしました.かねてより下回りとして利用したいと温めていたのがフライシュマンNのBタンクです.
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入門用として,ピンを使わず突起だけでコネクティングロッドとピストンロッドを機能させている構造にも注目です.残念ながら現在は製造中止らしくeBayでしか見ることができません.軸距16ミリ,車輪径7.4ミリです.
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車輛を設計するときはCanvasという作図ソフトを使っています.1ミリ方眼の上に好きなプロトタイプの縮尺した図面を載せて好みの輪郭を作っていくという方法です.今回はOナローでアルモデルのフェルトバーンSLに自家製ボディを換装したときの図面を活用しました.それを3/4に縮小し,適宜変更を加えてフライシュマンのシャーシにふさわしい車体にしてみました.そしてパーツ図面に仕上げます.
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プラバンを切り出したパーツです.機関車のキャラメルモーターは横置きで大きいので,タンクに隠れるボイラー部分は箱にしておく必要があります.
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ボイラーはエヴァグリーンの11.3ミリパイプです.
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ドーム類にも径の異なるパイプを使っています.つばの部分は0.3ミリプラバンを張り付けて爪切りの要領で適当な大きさにしてから整形します.
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煙突はホワイトメタルの余りものを切断して使用.シャーシーにのせて形がほぼできあがりました.
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さて,他にも適当な動力はないかと探したところ,トミックスのトーマスシリーズのパーシーがありました.ちょっとくせのある形ですが走りがよいので,同じデザインで追っかけてつくることにしました.
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パーシーには前部に工具箱のようなものがあり,切断しようかと思ったのですが,シリンダーの支えを隠すための微妙な構造になっています,そこで余計な加工はせず,そのまま使うことにしました.ただし動力のブロックが前方まで伸びているため,工具箱を活かすとボイラーの切り欠きが露出することになります.どうするか悩みましたが,ごまかしで何とかしましょう.

Covered Speederをつくる [S-9mm]

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米国の保線用人員輸送車として広く使われたのが,Fairmont Speederという超小型の車輛です.屋根があっても脇はオープンなのが標準ですが,3ftゲージのRGSの冬季仕様という密閉型があったようです.Grandt LineがOn3の動力付プラキットを出していましたので,これをOn30に改軌したものを製作しています(http://www.geocities.jp/karatcreek/SpeederKits_e.html ) 成型の精度が高いので,ボディははめ込みで固定でき,ウェイトを積めばかなりの低速走行も可能なので,ときどきは走らせて楽しんでいるモデルです.
図面を1/64に縮小してみたところ,9ミリの小型動力にちょうど合う大きさです.本来は3ftゲージでインサイドフレームですが,アウトサイドフレームの2ft仕様として,多少の変更を加えてデザインしてみました.そして第1作と同様に2輌分の製作にとりかかりました.
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車体は前作同様0.3ミリのリベット打ちと0.5ミリの貼り合わせです.ヘッドライトにはエコーモデルの前照灯を使いました.

今回,動力に使ったのはアルモデルがNゲージ用アルナインとして展開している軸距14ミリ動輪径6ミリのアルパワー14Aと軸距16.5ミリのアルパワー16Aです.グリーンマックスの動力台車を応用した製品らしいです.ふたつとも外寸は同じで,15ミリ幅の洋白の床板がついていますので,この上にプラ板の床板を載せて,それに車体を固定することにしました.しかし,そうなると軸受のフレームはプラ板の床板には付けれらないので,中央の窪みに入る2x2.5ミリプラ棒をフレームに接着し,真鍮線で補強したうえで差し込んで固定する方式にしました.軸距16.5ミリの方の軸受はアルモデルの軽便気動車オプションパーツ菱枠型台車枠をそのまま使用し,14ミリの方は軸受部分だけを切断して使いました.
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アルモデルの動力のうち,一台は順調な走りでしたが,もう一つが不調で分解したところ,細い犬の毛などが軸にまきついて接触不良を起こしたようで,取り除きましたが,しばらくすると接触不良をぶり返します.さらに調べたところ,分解を重ねているうちに集電枠に接触している洋銀の集電枠が変形で接触不良を起こしていることがわかり,モーターカバーとの間にプラ片をいれて押さえを効かせたところ順調に走行するようになりました.
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主に単行で走らせる黄色の3号機とオレンジ色の4号機が完成しました.
自作動力が4輌そろったのでそろそろ軌道開業といきたいところです.

はこてつで内燃機を自作 [S-9mm]

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Sナロー(1/64-9mm)の自作一号として,はこてつ動力(トミーテック)を利用した内燃機を2輌つくってみました.小さい実機を想定していますが,大き目のHOナローとしても通用します.ミニトレインズのグマインダーと比較していますが,大きさはかわりません.
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フリーランスですが,いつもの癖で図面を書き,プラバンに貼り付けて切り落としていきます.
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これで2両分のパーツです.
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動力まわりですが,はこてつ動力の床板の部分は少し加工し,その上にプラバン床板を載せています.
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ボンネットの加工です.
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組立がほぼ終わった状態です.
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ダミーカプラーをとめるねじが車体上回りを固定し,同時に動力も抑える構造になっています.
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カプラーは欧州タイプのひっかけ式に対応するためにとりあえずピンのところに棒をさしています!
車体が軽すぎるので,ミニ4駆用のウェイトを入れていますが,それでも足りず接触不良をおこしています.
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貨車はロコインターからも出ているミニトレインズの大き目の鉱車の編成でテスト運転中です.
脱線しやすい貨車ですが,カプラーのフックは片側だけにすると安定します,
とりあえず自作の動力ができましたので,走らせながらレイアウトの構想を練っています.

まずはつくらないSナロー? [S-9mm]

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 産業用で広く使われる2ftゲージを模型化する場合,既存スケールでゲージを変えるのが一般的です.HOの場合Zスケールの6.5ミリゲージが活用できます.Oスケールでは12.7ミリが一般的ですが,12ミリや13ミリゲージを使われる方もおられます.これらの2ftナローは一般的なHOやOスケールのパーツを利用し,走行系だけを変えています.
 さて,もう一つの方法は既存の模型ゲージを用いてスケールを変える方法です.2ftナローの場合は1/64,Sスケールがあります.ゲージとしては10.5ミリと9ミリの選択があり,10.5ミリはアメリカ型の伝統ですが,日本や欧州型では9ミリを採用するほうが都合がよいでしょう.いずれにせよ,下回りの流用に利便性があるとしても車体やアクセサリパーツに関しては既存の模型パーツとは別に考えていく必要があります.

 わたしはO-16.5ミリを中心にやっていますが,少し込み入った線路配置や情景の広いレイアウトがつくりたくなり,久しぶりにHO-9ミリを再開しました.キットや完成品はいいのですが,プラバンで単端をつくったあと,蒸機の車体自作の検討をはじめてみて,あまりにも小さくて技量がついていけないことを痛感しました.そこで禁断のSに注目したのです.といってもまずは“つくらないSナロー”の可能性についてです.

 かつてジュエフがエガーバーンとして出していたドコービル(現在は発売されていない)がありますが,3トン機としてみるとほぼ1/64です.また伝統的なエガーバーンのグマインダー内燃機がMinitrainSからでていますが,これも1/64相当.また最近MinitrainSから発売されたバグナル蒸機は妙にのっぽで他とのバランスが悪いとの声をききますが,調べてみるとバグナルのExcelsior機をほぼ1/64で再現したもの(図面はNG&IRM Review誌53号,105号に掲載)になっています.つまりこれらは既製品としての Sナローというわけです.

 このゆったりとした既製品を眺めているうちに,これなら自作の車輛を交えた2ftナローの世界が展開できるのではないかという希望が湧いてきました.そして何よりそのあと押しをしてくれるのが豊富な1/64ミニカーです.
 鉄道模型でシーナリーをつくるときに考えなければならないのがアクセサリやパーツの市販状況です.街並みを再現する場合は大変ですが,自然の風景はスケールフリーですし,鉱山などの産業施設はほとんど自作でなんとかなります.またオーバースケールなHO品を利用する手もあるでしょう,残るは車とフィギュアです.
 鉄道と違ってミニカーでは1/43がなぜか世界標準になっていて世界中の車が揃うのはうれしい限りですが,それよりも小さなスケールではどうでしょうか?伝統的にレイアウト関連のものが充実しているドイツでは1/87のミニカーが豊富にあります.このスケールではシャープなプラ成型が主体ですが,やはりドイツ車がほとんどです.また,ダイキャスト製だと塗装が厚くなり,シャープさに欠けるものが多くみられます.そうなると,ダイキャストミニカーが少し大きな1/64で存在するのもわかる気がします.
 スケールよりも箱の大きさを統一した玩具的なミニカーはマッチボックス,ホットウィール,トミカという流れで発展していきますが,スケールを統一したものとしてトミカリミテッドビンテージのような1/64が標準化しています.1/64と記してあっても結構いいかげんなものが米国ブランドにはありますが,日本車と米国車の旧車が揃う点では文句なしの展開であり,1/43ミニカーの価格の上昇を考えると値段が手ごろな点も魅力的です.すでにこれらを集めていたこともあり,車の供給は解決済みです.残るはフィギュアで,バテロコのようなオープンが動力車を扱う場合は検討が必要です.

 こうして外堀は埋められました.いよいよ動力車輛を自作してみることになりました.幸い9ミリの小型動力は充実しており,最近では低速走行を考慮したものも登場して頼もしい限りです.まずは手はじめにと,はこてつ動力でフリーランスの内燃機をつくりはじめました.
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