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ブローニー・スターレットカメラ [gadget]

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誰でもシャッターボタンひと押しで簡単に写真が撮れるスナップカメラはカメラ専業メーカーよりも写真の普及を願うフィルムメーカーが製品化に力を入れてきました.世界有数の写真フィルムメーカーであったコダック社はブローニーカメラというシリーズで長らくスナップカメラを作り続けてきました.
これは1960年,米国に滞在していたときに父に買ってもらったコダックブローニー・スターレットカメラです.
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レンズ外枠はぶつけてしまい少し歪んでいます!フィルムを巻いてシャッターを押すだけですが,絞りだけはレンズに下にレバーがあってカラーか白黒かを選択するようになっています.絞りが2種類あるのはカラーフィルムのほうが,感度が悪いからで,したがって暗いときにはカラー絞りの設定で撮影しました.
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フィルムは我が国でブローニー判と呼ばれる120フィルムではなく,ベスト判と呼ばれた127(4cmx4cm)ロールフィルムを使います.当時使っていたコダックのフィルムは白黒のヴェリクローム(Verichrome Pan)12枚撮りでした.その他にカラースライド用のエクタクローム,カラーネガ用のコダカラーがありましたが,まだまだ高価で子供だった私は使わせてもらえませんでした.127フィルムは現在市販されていません.
感光サイズは4cmx4cmの真四角です.広く使われてきた35mm判のフィルムよりも大きいのですが,カメラがプラスチック製で軽すぎてぶれやすく,レンズの性能もいま一つ,というより撮影テクニックが未熟であったためシャープな写真は残っていません.
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カメラにはフラッシュ撮影用の端子がついており,フラッシュユニットも手に入れています.Kodalite Midget Flasholderです.フラッシュバルブは1回ずつ焼き切れて消耗するタイプですから,大切にしました.大切にしたあまり,フラッシュ撮影は10回ぐらいしかしていません.フラッシュバルブはSylvania M-2です.
 
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さて,日本では同じくフィルムメーカーの富士フィルムが普及型のカメラ,フジペットをだしており,ベストセラーになりました.これは公園のカフェに展示してあった一台です.フジペットも35mmではなく大判の120判フィルムが使われています.
 
(コダックカメラの現物は東京情報大学に展示してあります)


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エレクターセット(Erector Set)でレトロなロボットを組む [gadget]

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ブロックを積み上げによる組立玩具ではLEGOが世界標準ですが,ナノブロックなど他にも種類があり,広く普及していて,量販店でも入手することができます.これに対して,かつては金属の部品をねじでとめていく組立玩具がありました.今でもその種のセットはありますがあまり見かけません.
 
小学校に入る少し前だったと思いますが,はしかで寝込んだあと祖父から”エレクション“という組立玩具をもらいました.簡単なトラックのようなものを組んだ記憶があります.そして小学生半ばで米国に滞在することになり,その時に手にしたのが”エレクター(Erector)“です.今も手元にあります.
  
エレクター(Erector)はA. C. Gilbertによって販売されてきた金属の組立セットです.ウィキペディアに項目があります.要約すると1913年に発売が開始されて以来長らく組立玩具のロングラン商品となりますが, 1961年に創業者が亡くなるころから衰退がはじまります.その後所有社が頻繁に変わりますが,2000年ごろに英国で同様の製品を展開していたメカノ(Meccano)に買い取られています.メカノはエレクターよりも古く,ホーンビーによって創設されたブランドで,ここで競合ブランドが統一されたことになります.このころは一時期,日本のニッコーがメカノの国際市場を押さえていたようです.メカノはプラスチックを多用したテーマ別パッケージで存在します.現在日本には代理店がないようですがアマゾンが扱っています. 
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わたしが所有しているパッケージはAutomatic Radar Scope Setで1959-60年に生産されたものです.10種類ほどのパッケージがありますが,ひととおりの部品が揃っている中間サイズのセットです.モーターがセットになっており,アンテナのようなものがくるくる回る仕掛けが作れるというものです.このセットが発売されたのが最後の絶頂期で,このあと衰退していくことになります.
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パーツは一部無くなっていますが,よくぞ残してきたものです.
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残念ながら説明書が残っていませんが,ネットでだいたいの情報を知ることができます.組立品の中でも古風なロボットが印象に残っており,ネットで完成図を見つけることができましたので,およその構成がわかります.これを組み立ててみます.
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ツイッターのアイコンにも使っている頭部は組み上げた状態で箱に入れてありますが,胴体を組み上げるのは実に60年ぶりのことになります.
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部品は基本的な形状からなりますが,顔の耳や手に使った部品は軸受けの形をしており,赤く塗装されています.眼はプーリーです.鼻はアンテナとつながるクランクシャフトを使っています.
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完成しました.モーターはつけていないので動きませんが,セットに含まれるモーターを利用すればプーリー経由で前進します.
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コントロール基板や駆動系を入れれば最新の機能を持たせることもできそうです.
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レトロな雰囲気です.
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セットに付属のモーターと電池(単一)ホルダーです.
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駆動はプーリーを使ったゴムベルト駆動が標準ですが,歯車も売られていて追加で手に入れています.
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さて,ここで最初の話に戻します.エレクターを入手する数年前に手にしたエレクション,その部品の一部がエレクターの箱に紛れて残っています.画像の左半分がエレクター,右半分がエレクションです.規格が同じなので一緒に使ってきました.どこの製品なのか長らく謎でしたが,こちらにありました.
玩具のマスダヤの製品でした.入手したのはもう少し大きいNo.2というセットで,オークションレビューサイトにでていました.
エレクションという名前を考えればエレクターのコピーと思われますが,この種の組み立て玩具は古くからあり,エレクターが元祖ではありません.エレクターはどちらかというと後発で,メカノのほかにもメルクリンやトリックスが出していたようです.したがってお互いに互換性を認める製品だったのかもしれません.
エレクターのA. C. Gilbert Co.はSゲージのAmerican Flyerも展開していたので,この手の組み立て玩具は鉄道模型との縁も深いようです.また同社は数々の少年向き科学実験セットをだしていたことでも知られています.ガイガーカウンターを備えたAtomic Energy Setまであったようです.
 
なお,現在も市販されているこの種類の組み立てセットは,先に述べたメカノの他に少し部品が大きめのアイテックがあります.
ドイツの会社ですが米国のサイトをあげておきます.
ヨドバシでも製品を置いている時期がありました.
 
機構的な動きを試す実験セットとして,この種のものにもう少し勢いがあってほしいです.
 
ロボットの胴体は再び分解し,セットの箱にしまいました.


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バランスゲーム(ゲーム盤ジオラマの可能性?) [gadget]

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我が家には大切に保管されてきたバランスゲームが3種類残されています.
家庭用のゲームでこのような形態のものをどう呼んでいいのか迷います.バランスゲームというと積み木のようなものでどこまで積み重ねることができるかを競うパーティーゲームがよく知られていますが,これは台の上にものを載せる時間を競うゲームです.3つのうち,二つは戦前の製品と思われます.
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まずは一番新しいもので,”アップルゲーム”.鉄棒台のような軸に串刺しされた不安定な台があり,その上に同色のリンゴをフックで釣り上げて載せていくと遊びです.リンゴというよりもカーリングの石のようですね.このゲームはデパートで父が買ったような記憶があります.箱裏の簡単の説明のあとに,桜と山をあしらったマークがついていて”マウント(Mount)”と書かれているので,現在のハナヤマにつながるブランドでしょうか?
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次は”カーレントイランド(Carlen Toyland)”というブランドの製品.箱にはゲームの名前が入っていませんが,”タマゴのせゲーム”です.台の上に置かれた巣に,かごがついた道具で5色のタマゴをすくって載せていく遊びです.タマゴをどのような下地に置くかによって難易度が変わります.
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そして最後は同じく”カーレントイランド(Carlen Toyland)”の製品で,箱の裏側にゲーム名と説明が記載されています.題して”サーカス・ルンバ”.滑車に取り付けられたフックを滑らせてピンをひっかけ,同じ色の台に載せるという競技です.説明書きによればピンはダンシング・ドル(ドール)と名づけられています.つまり,サーカスの曲芸をイメージしているわけです.”明るい笑ひを皆様のご家庭にキット約束する新しい形式のゲーム.....「サアー順番を決めませう.....”

これらは道具を使ってものを運ぶだけの単純なゲームですが,デザインの良さに感心します.またコンパクトにしまっておける点も利点です.
そしてたびたび連想してしまうのが,ゲーム要素を取り入れたジオラマのことです.
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左においてあるのはかつて乗工社が出していたブックレットにある集材所セクションのスケッチです.材木を釣り上げて貯木場に積み上げたり,運材台車に載せてみる,などの遊びを滑車を使って楽しむジオラマにしてもおもしろいのではないかと考えるわけです.このようなゲーム的要素があるジオラマ(あるいは鉄道模型レイアウト),あるいはジオラマ的なゲーム盤があっても面白いのではないかと思います.