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Nの小型蒸機 貴重なナロー用動力だった [N-scale]

Nスケールの小型電機の話をしたので,続いては小型蒸機についてです.ただし,Nのレイアウトは電気鉄道だったので主力とはならず,のちにナローへの転用に向けて揃えてきたことになります.

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1970年代前半,小型蒸機はほとんどヨーロッパ製品で占められていました.

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その中で,最初に手にしたのはATLASのCタンクで,製造はユーゴスラビアとなっています.偶然店頭で見つけた機種であまり出回っていないものです.形のまとまりはいいのですが,走行性能が今一つでピストンロッドもシリンダーのスロットをすべるだけのシンプルなものです.集電ブラシを改良したりした後,しまいこんでいました.

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小型蒸機として入手しやすかったのはミニトリックスの入門用T3機です.鉄道模型趣味1974年5月号(311号)に赤井哲朗氏によるホワイトメタルキットを用いた軽便機関車の製作記事が載りました.その少しまえにDACHSストーリーというのが展開されていたのですが,事細かなストーリー展開やブラスモデルには当時それほど関心がなく,守備範疇外でした.ところがバリキットをはじめとする英国製メタルボディキットにNゲージに動力を組み合わせるこの記事にピンとくるものがありました.そこで早速バリキットを購入,その動力として購入したのがこのミニトリックス機です.まだナローゲージは試行段階だったのですが,小レイアウトの可能性を知るきっかけになりました.写真のミニトリックス機はその時のものではなく,あとから買ったものです.コネクティングロッドがないシンプルなものですが,走りはしっかりしています.

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ナロー蒸機の下回りとしてもうひとつ重宝されたのがアーノルトの80形です.しかし,当時京都ではアーノルトの入手はむずかしく,やっとユニバーサル模型に眠っていたセットものを見つけて入手しました.2台目となるバリキット機の動力になっていますが,写真は後から入手した80形の改良品です.ロッドまわりがプラで改良されていますが,コネクティングロッドはありません.バリキットはまだ予備があるのでそのために確保していたものです.

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バリキットとならんでコッペル似(Andrew Barclay)のダグラスの動力はアーノルトのBタンクが標準指定されていましたが,この製品も当時探し出すことができず,のちに確保したのが写真の2機です.右端のアーノルトカプラーが持ち上がっていますが,これは前進時に開放できるしかけが組み込まれているのです.ただし軽量な2軸機なので集電不良が起こりやすく,この機構が役に立つ頻繁な入替作業には向いていないようです.車輪径が小さいのでフランジの厚さが目立ちますが,模型としての魅力があります.

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これはずっと後に手にしたアーノルトの新しいT3形Cタンク.小型機がどんどん姿を消していくので,2台確保しました.バルブギアまわりが賑やかです.

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これはフライシュマンのBタンク.側面の銘板にはマッファイと書かれています.2機あったうちの一つは最近製作したSナロー機の下回りとなりました.

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バックマンのテンダー付きシフターとドックサイド機はおなじ動力で,古くはトミーバックマンのカタログにもありましたが,あまり出回っていませんでした.ドイツ製品と比較するとかなり品質が落ちますが,気軽に改造用として利用できそうなので,米国の通販から何度かまとめ買いしました.そして3機をナロー機に改装し,最初に公表したナローレイアウト”からくり鉱業”の主力として活躍してもらいました.予備機がたくさん残っていますが,ギア割れしているものが多く使えないのが残念です.

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最後に紹介するのがライフライクのCタンク.有井からも出していました.ライフライクはウォルサーズの傘下になり在庫切れ扱いですが,また再生産される可能性があります.動輪が黒染めされており,走りも合格点,ロッド周りもスライドバーを改良すれば結構使えます.今野さんが頒布した雨宮のCタンクなどに使われましたが,ホワイトメタルキットのジャネットの動力にも利用しています.


ナロー蒸機の下回りとして重宝したNの小型蒸機はどんどん姿を消しています.特にドイツの3ブランドであるミニトリックス,フライシュマン,アーノルトでは入門セットに欠かせない機種でしたが,現在はもう少し大きな機種に置き換わっており,単体品もカタログからは姿を消しています.ナロー製品が豊富にある今日,Nスケールロコをナローに転用することは少なくなっており,貴重な小型機はNスケールのまま楽しむほうがよさそうです.

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