アルモデルのOナローゲージキット [O-16.5mm (On30, O16.5)]
アルモデルのOナローゲージ(1/48 16.5mm)キットはほとんど入手しています.週末に開催される第18回軽便鉄道模型祭に参加する小作品集合体のクリッターズクラブ,ことしのテーマはアルモデル製品集合! “アル中祭”です.この機会に組み立て済みの動力車をならべてみました.そのまま組んだものと改造を加えた作品があります.ほとんどは既にブログやアーカイブページにあげていますので,組立順ではなく発売順に並べて個別記事を参照していただけるようにしました.
【軽便内燃機関車】 2005年(発売年)
アルモデルのOナローゲージの第1号キットです.動力はパワートラックで組みやすさが考慮されていました.キャブの大きさを決めるのに相談にのった記憶があります.上の写真は最初に組んだものですが,全面窓のHゴムの筋が入っていないので試作板を組んだものです.凝った製品が多い中,フリーデザインでOナローを楽しむ風潮をつくってくれた製品です.
ちょっとした味付けを楽しむのに適した題材です.これはエンジンや室内ディテールを入れ,フレームのディテールを変えた作品です.
【自動機客車(夷隅タイプ)】 2007年
小さくまとまったかわいい気動車です.屋根はホワイトメタル製で,簡単に組み上げるよう工夫されています.そのまま組んでいます.まずはともあれ1台で旅客鉄道を創業するならこの1両でしょう.
【南筑軌道石油発動車】 2008年
九州で活躍した焼玉機関の機関車です.特殊な動力車ですが,パワートラック動力でうまくまとめられています.そのまま組みました.
【北陸4トンDL】 2009年
日本粘土で活躍した機関車です.プラ板で自作するための図面ができていたのですが,先を越されてしまいました.508ミリゲージの小型機をうまくまとめています.点検扉にL字型のヒンジを加えています.
【北陸重機タイプモーターカー】 2009年
このモーターカーは簡素にまとめられているので,ディテールアップされた作例を多く見かけます.どういう風に仕上げようかと考えた挙句,中間にプラ板製の車両をいれて三連の遊覧カーに仕立ててみました.
【レールトラック】 2010年
オリジナルはトラックです.キャブの造形がシンプルなので手を加えたくなります.荷台は使わず,キャブを5ミリ高くし,真鍮のキャブにプラ板を貼ってノッポのレールカーにしてみました.
【フェルトバーンタイプBタンク】 2011年
フェルトバーンタイプと称するショーティーな蒸機はアウトサイドフレームにしてパワートラック動力という画期的な構造でした.フェルトバーンタイプという名称はエガーバーンの伝統的な蒸機のプロポーションからきたみたいです.いろいろと手を加えて変形種4台がそろいました.
こちらは下回りはそのままですが,プラ板でボディーを作成し,キャブを小さくまとめ,東洋活性白土1号機風にしました.
前述のタンクの形が気に入ったのでもう1台作っているのですが,こちらは分売パーツを利用したインサイドフレーム機です.モーターはアルモデルの扁平型をつかっていますので,安定した低速走行が可能です.
4台の製作に関しては改めてご紹介する予定です.
【自由形Bタンク】 16番 2015年
ナローではなく16番のキットの下回りを利用してまとめました.サドルタンクは流用品,キャブはプラ板製です.
【軽便Bタンク】 2015年
16番のキット発売のあと.これを利用したOナロー版が発売されました.キャブはキットのままですが,ボイラー周りを自作しました.
【木曽酒井モーターカー】 2019年
ボディーは丸ごとメタルキャストというプラモデル感覚のキットです.動力は一軸駆動ですが,どっしりしていて安定して走ります.組立は簡単ですが,オリジナル仕様にするには塗装の色分けに苦労しそうです.
ヘッドライトをLED点灯とし,少し変わった塗装で仕上げました.
形態的におもしろいキットがそろっています.だからか加藤や酒井などの真面目なキットの組み立ては後回しになりがちでまだ完成していません!製品の動力はパワートラック依存から脱却し,自家製動力の採用が増えているので,走行性能も安定しています.
そういえばホイールベースの短い自家製動力を採用したフェルトバーンDLはそのまま組むか,それともO-9mmに化けるのかまだ仕様がきまっていません.
Oナロー新製品の投入はゆっくりとしています.HO製品のようなペースの早い製品展開にはついていけません.自分としてはちょうど良いのです.
エレクターセット(Erector Set)でレトロなロボットを組む [gadget]
ブロックを積み上げによる組立玩具ではLEGOが世界標準ですが,ナノブロックなど他にも種類があり,広く普及していて,量販店でも入手することができます.これに対して,かつては金属の部品をねじでとめていく組立玩具がありました.今でもその種のセットはありますがあまり見かけません.
小学校に入る少し前だったと思いますが,はしかで寝込んだあと祖父から”エレクション“という組立玩具をもらいました.簡単なトラックのようなものを組んだ記憶があります.そして小学生半ばで米国に滞在することになり,その時に手にしたのが”エレクター(Erector)“です.今も手元にあります.
エレクター(Erector)はA. C. Gilbertによって販売されてきた金属の組立セットです.ウィキペディアに項目があります.要約すると1913年に発売が開始されて以来長らく組立玩具のロングラン商品となりますが, 1961年に創業者が亡くなるころから衰退がはじまります.その後所有社が頻繁に変わりますが,2000年ごろに英国で同様の製品を展開していたメカノ(Meccano)に買い取られています.メカノはエレクターよりも古く,ホーンビーによって創設されたブランドで,ここで競合ブランドが統一されたことになります.このころは一時期,日本のニッコーがメカノの国際市場を押さえていたようです.メカノはプラスチックを多用したテーマ別パッケージで存在します.現在日本には代理店がないようですがアマゾンが扱っています.
わたしが所有しているパッケージはAutomatic Radar Scope Setで1959-60年に生産されたものです.10種類ほどのパッケージがありますが,ひととおりの部品が揃っている中間サイズのセットです.モーターがセットになっており,アンテナのようなものがくるくる回る仕掛けが作れるというものです.このセットが発売されたのが最後の絶頂期で,このあと衰退していくことになります.
パーツは一部無くなっていますが,よくぞ残してきたものです.
残念ながら説明書が残っていませんが,ネットでだいたいの情報を知ることができます.組立品の中でも古風なロボットが印象に残っており,ネットで完成図を見つけることができましたので,およその構成がわかります.これを組み立ててみます.
ツイッターのアイコンにも使っている頭部は組み上げた状態で箱に入れてありますが,胴体を組み上げるのは実に60年ぶりのことになります.
部品は基本的な形状からなりますが,顔の耳や手に使った部品は軸受けの形をしており,赤く塗装されています.眼はプーリーです.鼻はアンテナとつながるクランクシャフトを使っています.
完成しました.モーターはつけていないので動きませんが,セットに含まれるモーターを利用すればプーリー経由で前進します.
コントロール基板や駆動系を入れれば最新の機能を持たせることもできそうです.
レトロな雰囲気です.
セットに付属のモーターと電池(単一)ホルダーです.
駆動はプーリーを使ったゴムベルト駆動が標準ですが,歯車も売られていて追加で手に入れています.
さて,ここで最初の話に戻します.エレクターを入手する数年前に手にしたエレクション,その部品の一部がエレクターの箱に紛れて残っています.画像の左半分がエレクター,右半分がエレクションです.規格が同じなので一緒に使ってきました.どこの製品なのか長らく謎でしたが,こちらにありました.
玩具のマスダヤの製品でした.入手したのはもう少し大きいNo.2というセットで,オークションレビューサイトにでていました.
エレクションという名前を考えればエレクターのコピーと思われますが,この種の組み立て玩具は古くからあり,エレクターが元祖ではありません.エレクターはどちらかというと後発で,メカノのほかにもメルクリンやトリックスが出していたようです.したがってお互いに互換性を認める製品だったのかもしれません.
エレクターのA. C. Gilbert Co.はSゲージのAmerican Flyerも展開していたので,この手の組み立て玩具は鉄道模型との縁も深いようです.また同社は数々の少年向き科学実験セットをだしていたことでも知られています.ガイガーカウンターを備えたAtomic Energy Setまであったようです.
なお,現在も市販されているこの種類の組み立てセットは,先に述べたメカノの他に少し部品が大きめのアイテックがあります.
ドイツの会社ですが米国のサイトをあげておきます.
ヨドバシでも製品を置いている時期がありました.
機構的な動きを試す実験セットとして,この種のものにもう少し勢いがあってほしいです.
ロボットの胴体は再び分解し,セットの箱にしまいました.