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エレクターセット(Erector Set)でレトロなロボットを組む [gadget]

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ブロックを積み上げによる組立玩具ではLEGOが世界標準ですが,ナノブロックなど他にも種類があり,広く普及していて,量販店でも入手することができます.これに対して,かつては金属の部品をねじでとめていく組立玩具がありました.今でもその種のセットはありますがあまり見かけません.
 
小学校に入る少し前だったと思いますが,はしかで寝込んだあと祖父から”エレクション“という組立玩具をもらいました.簡単なトラックのようなものを組んだ記憶があります.そして小学生半ばで米国に滞在することになり,その時に手にしたのが”エレクター(Erector)“です.今も手元にあります.
  
エレクター(Erector)はA. C. Gilbertによって販売されてきた金属の組立セットです.ウィキペディアに項目があります.要約すると1913年に発売が開始されて以来長らく組立玩具のロングラン商品となりますが, 1961年に創業者が亡くなるころから衰退がはじまります.その後所有社が頻繁に変わりますが,2000年ごろに英国で同様の製品を展開していたメカノ(Meccano)に買い取られています.メカノはエレクターよりも古く,ホーンビーによって創設されたブランドで,ここで競合ブランドが統一されたことになります.このころは一時期,日本のニッコーがメカノの国際市場を押さえていたようです.メカノはプラスチックを多用したテーマ別パッケージで存在します.現在日本には代理店がないようですがアマゾンが扱っています. 
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わたしが所有しているパッケージはAutomatic Radar Scope Setで1959-60年に生産されたものです.10種類ほどのパッケージがありますが,ひととおりの部品が揃っている中間サイズのセットです.モーターがセットになっており,アンテナのようなものがくるくる回る仕掛けが作れるというものです.このセットが発売されたのが最後の絶頂期で,このあと衰退していくことになります.
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パーツは一部無くなっていますが,よくぞ残してきたものです.
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残念ながら説明書が残っていませんが,ネットでだいたいの情報を知ることができます.組立品の中でも古風なロボットが印象に残っており,ネットで完成図を見つけることができましたので,およその構成がわかります.これを組み立ててみます.
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ツイッターのアイコンにも使っている頭部は組み上げた状態で箱に入れてありますが,胴体を組み上げるのは実に60年ぶりのことになります.
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部品は基本的な形状からなりますが,顔の耳や手に使った部品は軸受けの形をしており,赤く塗装されています.眼はプーリーです.鼻はアンテナとつながるクランクシャフトを使っています.
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完成しました.モーターはつけていないので動きませんが,セットに含まれるモーターを利用すればプーリー経由で前進します.
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コントロール基板や駆動系を入れれば最新の機能を持たせることもできそうです.
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レトロな雰囲気です.
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セットに付属のモーターと電池(単一)ホルダーです.
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駆動はプーリーを使ったゴムベルト駆動が標準ですが,歯車も売られていて追加で手に入れています.
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さて,ここで最初の話に戻します.エレクターを入手する数年前に手にしたエレクション,その部品の一部がエレクターの箱に紛れて残っています.画像の左半分がエレクター,右半分がエレクションです.規格が同じなので一緒に使ってきました.どこの製品なのか長らく謎でしたが,こちらにありました.
玩具のマスダヤの製品でした.入手したのはもう少し大きいNo.2というセットで,オークションレビューサイトにでていました.
エレクションという名前を考えればエレクターのコピーと思われますが,この種の組み立て玩具は古くからあり,エレクターが元祖ではありません.エレクターはどちらかというと後発で,メカノのほかにもメルクリンやトリックスが出していたようです.したがってお互いに互換性を認める製品だったのかもしれません.
エレクターのA. C. Gilbert Co.はSゲージのAmerican Flyerも展開していたので,この手の組み立て玩具は鉄道模型との縁も深いようです.また同社は数々の少年向き科学実験セットをだしていたことでも知られています.ガイガーカウンターを備えたAtomic Energy Setまであったようです.
 
なお,現在も市販されているこの種類の組み立てセットは,先に述べたメカノの他に少し部品が大きめのアイテックがあります.
ドイツの会社ですが米国のサイトをあげておきます.
ヨドバシでも製品を置いている時期がありました.
 
機構的な動きを試す実験セットとして,この種のものにもう少し勢いがあってほしいです.
 
ロボットの胴体は再び分解し,セットの箱にしまいました.


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