ウェールズ・ナローゲージ探訪(13)ウェルシュプールへ ニブロクの軽便鉄道 [railway visit]
現地8日目(2017.7.27木)はCambria線でAberystwythを出発,Welshpoolに立ち寄ってから南ウェールズのCardiffまで移動します.
Welshpool では2ft6in (ニブロク)ゲージのWelshpool & Llanfair Light Railway (W&LLR) を訪ねました.
(www.bigtrainlittletrain.com観光案内より)
【Welshpool & Llanfair Light Railway (ウェルシュプール・ランヴァイル軽便鉄道 W&LLR), 762mmゲージ,路線距離 13.7km】
今回の訪問で唯一の2ft6in (ニブロク)ゲージの鉄道です.日本ではナローゲージの標準のような規格ですが,こちらでは珍しいようです.1903年の開業で,Cambrian Railwayが運営していました.Great Western Railwayに吸収された後1931年に旅客輸送が廃止され,1948年の国有化後の1956年に貨物輸送の廃止で一旦廃線となります.ボランティアによる復興事業は1963年から開始され,1981年から現在に至るまでRaven Square(レイヴンスクエア)からLlanfair Caereinion(ランヴァイル・カイレイニオン)間で観光鉄道として運行されています.元々はWelshpool駅始発でしたが,市街地の狭い建物の間を通り抜けるためRaven Square(レイヴンスクエア)までの区間は復興されていません.片道所用時間は45分,当日は蒸機5往復,始発と最終便がディーゼル機の運用で,折り返し1時間の休憩をはさむと往復の所用時間は2時間半です.
Cambria線のWelshpoolから少し離れたW&LLRの始発駅Raven Squareまで,小雨が降る中スーツケースを転がして歩くことになりました.
▲Welshpoolの駅から市街地をすこし歩くと運河を渡ります.Powysland Museumという郷土史博物館の建物が見えます.この先にはPowis Castle(ポウィス城)という天空の城ラピタのモデルとなったとされる城があります.普通の観光旅行ならまずそこを訪ねるべきでしょうね(笑).
街並みが続きますが,W&LLRの始発駅まではまだ先のようでgoogle mapが手掛かりです.
▲そしてRaven Square駅に到着.列車がやってきました.
▲給水中の蒸機は1号機(822),The Earl.Beyer Peacock 1902年製.創業時からの現役で2001年に修復を受けている伝統ある機関車です,もう1機,同型の2号機(823)があります.
▲2in6ftゲージの客車の確保には苦労しているようです.これはオーストリアのZillertalbahn(チラタール鉄道)の2軸客車です.しかもオリジナルの表記のまま使われています.
▲そしてハンガリー鉄道から来た客車もあります.ゲージが合えば既製品を自由につなげて走らせる模型のようです(笑).
▲ヨーロッパ大陸の客車を引っ張るThe Earlの編成,いよいよ出発です.
▲のどかな風景の中のニブロク線路
▲途中の列車交換,蒸機は12号機Joan,Kerr Stuart 1927年製.西インド諸島のアンティグアのサトウキビ農場で使われていたものを修復しています.
▲石の橋脚にのった鉄橋を横断中.
▲そして終点Llanfair Caereinion(ランヴァイル・カイレイニオン)に近づきました.
▲終点です.折り返しまで1時間あります.ヤードや工場の立ち入り許可をもらい,案内してもらいました.
▲ロッド伝動の11号Ferret.Hunslet 1940年製で元は坑内用.
▲その後ろ姿.Great Westernの緑色に塗られています.
▲17号機はドイツDIEMA 1979年製で台湾の製糖工場で活躍ののち2004年に導入されています.
▲ロッド伝動の7号機ChattendenはBaguley1949年製.
▲当日活躍中1号機(822)と同型の2号機(823)The Countessが車庫にいました.緑色の塗色です.
▲信号所の風景です
▲戻りは機関車のすぐ後ろに席をとりました.
▲帰路,再び12号機Joanの編成と交換.オーストリア製の客車はSalzkammergut Lokalbahnから来たようです.
起点のWelshpool (Raven Square)に戻ると見学用の車庫がありました.
▲8号機 Dougal.Andrew Barclay 1946年製.1969年にやってきたそうですが,2014年まで稼働し,その後ボイラー修復のため保管中.
▲6号機Monarch.Bagnall 1953年製の複合型蒸機で英国での産業用としては最後につくられた蒸機とのことです.製紙工場で使われたのち1966年にやってきたようですが,一度Ffestiniog Railwayに移ったものの改軌されないまま展示用として買い戻されたという経緯があります.化粧直しをして静態展示中です.
▲再び出発するThe Earlの編成.
蒸機はオリジナル,しかし客車はヨーロッパ大陸モノをそのままの塗色で使うというまるで模型のような編成を楽しむことができました.何回往復しても自由と言われたのですが,時間の都合で2時半には本線駅に戻りました.本線駅までの廃線跡散歩のパンフレットが用意されていたのですが,スーツケースを転がしながらでは無理なのであきらめました.この日はWelshpoolから一度ウェールズを離れてShrewsburyに行き,そこで乗り換えて南ウェールズのCardiff(カーディフ)に向かいました.Cardiffには5時半ごろ到着,そこで2泊します.
2017-11-11 15:15
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