SSブログ

トラクター動力の機関車 Fordson powered locomotive [O-16.5mm (On30, O16.5)]

P7313186m.JPG 
フォードソンのトラクター動力を用いた機関車です。
P7153116m.JPG 
McKenzie Iron & Steelから出ているメタルキットで、主要パーツは黒染めされ、フレームとエンジンブロックが組まれた状態の仕掛品を譲り受けていました。軸距31㎜のパワートラックが動力でOn3(19ミリゲージ)の純正とは違う車輪がはまっていました。車輪を押し込んで16.5㎜ゲージにしてみましたが、満足に走りません。片方のギアが割れているようで、純正の車輪に入れ替えました。このキットブランドは産業機械のメタルキットを数多く出していて、フォードソンのトラクターに関してはエンジンのほか、それを利用したキットがいくつか用意されています。エンジン回りの部品は共通なのでそれぞれのヴァリエーションによって加工が必要です。機関車の場合はパワートラックを動力にする都合上、底面を削る必要があり、仕掛品は加工済みでした。
 
FordsonはヘンリーフォードがT型を発売したのち、独立したトラクターメーカーとして立ち上げた会社ですが、後にフォード社と一体になるのでこのブランドのトラクターは初期の製品だけです。汎用性の高い動力として産業用に利用されたようで、Brookvilleなどの内燃機メーカーが動力に採用していました。日本にも導入されており、名取さんの著書”森製作所の機関車たち(NEKO、2000年)”に詳しく書かれています。
 
このキットは1枚のペン画をもとに設計したので、それ以上の詳しいことは知らない、とラベルに書かれています。つまりワンオフの鉄工所製機関車と考えていいようです。箱に中には説明書が入っていなかったのですが、ウェブサイトで解像度の低い展開図を見つけたので参考にして完成させました。
P7243147m.JPG 
これはキャブ前後の妻板ですが、メタルの床に固定するために真鍮線を接着しました。
P7223134m.JPG 
真鍮線を差し込んで固定します。
P7253148m.JPG 
エンジンだけのキットも未開封のまま手元にあり、そちらには実物のスケッチをもとに詳しい解説が入っていたので参考にしました。スパークプラグの配線まで指示されています。ファンが見当たらなかったのでベルトとともにプラで作りました。
P7253150m.JPG 
エンジンを載せて仮組してみました。エンジン部の前後の位置決めをする手がかりはトランスミッション出力軸と動輪軸がチェーンカバー(まだ未装着)の切り込みに合わせて斜めにつながることだけです。
P7263154m.JPG 
エンジンが載る関係で、パワートラックは中央の突起を削り落とす必要があり、ねじで固定するわけにはいきません。そこで帯板を渡して両側でねじ止めすることにしました。On3にも対応するフレームですが、かなりぎりぎりで、On30でちょうどいいくらいです。車体幅は30㎜です。
P7263155m.JPG 
エンジンブロック、ラジエター、前妻板を瞬間接着剤で一体化し、妻板に付けた真鍮線を床板に差し込んで固定します。座席としてはベンチシートが付属していましたが。トラクター用の一人座席を使うことにしました。トラクターエンジンの動力を車軸に伝えるチェーンカバーは床板から浮いてしまうのでプラアングル(白い部分)を床板に接着して隙間を埋めました。
P7263156m.JPG 
エンドビームはピンリンク用のカプラーポケットが付いたものとナックルカプラー用の切り欠きになったものの2種類が用意されていて、組み上げ済のフレームには前部にピンリンク対応、後部に切り欠き付きのものがついていました。したがって写真にならべた2種類のエンドビームは余ったパーツです。
P7263157m.JPG 
ナックルカプラー用といってもOn3基準のようで位置が高く大きいです。プラ板で蓋をしていつもと同じHO基準でカプラーを付けました。
P7273159m.JPG 
屋根の補強板としてプラ材を渡し、エンジンを含む上部を一体化しました。
P7293162m.JPG 
屋根板として金属の波板がついていましたが、加工しやすいプラの波板に替えました。これでほぼ完成です。この黒染め状態もなかなか趣があります。
P7303166m.JPG 
フレームはVallejoのハルレッド、ボディはタミヤの明灰白色の水性塗料をエアブラシしました。
P7313167m.JPG 
Fordsonの陽刻が読めるラジエターです。
P7313171m.JPG 
ヘッドライトとタイフォンを取り付けました。
P7313173m.JPG 
波板の屋根は黒色塗装後に銀色のドライブラシ、茶系パウダー仕上げです。
P7313179m.JPG 
フレーム、ボディは艶消しトップコートを吹いたのち、ウェザリングパウダーを適所にすり込み、再びトップコートで仕上げました。黒染めの表面に直接塗料を吹いたので塗膜は弱く、ボルトの頭が銀色になっているのは作業中に自然になった結果です。
P7313188m.JPG 
前妻板には窓ガラスを入れていますが、残り3面開放なので役にたつのかどうかといったところです。
P7313184m.JPG 
開放的な車体は好きですが、走行中はフィギュアが欲しいところです。
トラクターを動力にする機関車ですが、フォードソンにこだわらなければトラクターの1/43ダイキャストモデルを流用することが考えられます。精巧な割には安価な製品が数多くあるので構想中です。


nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。