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模型で比べるフォード(9) 60年代,キットの盛衰 [car model]

Fordの乗用車は長らく単一車種でしたが,1955年のThunderbirdに続き,60年代には複数の車種が登場します.それが1960年のコンパクトカーFalconとフルサイズより一回り小さいIntermediateクラスとして1962年に分離したFairlaneです.またパーソナル/スポーツモデルのMustangのデビューは1964年です.フルサイズのシリーズはGalaxieとして1960年モデルで横長のラジエターグリルの中に4灯式ヘッドライトが収まるフラットなデザインになります.
 
【1961 Galaxie】
第11世代の1960-64モデルでホイルベースが3mを超えました.幅2m,全長5.4mです.'60モデルがAMTからでており,形が好きなのですが,手に入れていません.これは1/25 AMTの'61 Galaxieです.
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これは初期のプロモーションモデルからの派生とも思えるシンプルなキットで,エンジンはついていません.仮組してみました.
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'61から'63まではどれも丸いテールライトが特徴です.
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床下は一体モールド,バスタブ型インテリアを入れてタップねじで止めるだけの構造です.初期のモデルはこのようなものが多かったのですが,簡単に仮組ができるので好きです.また完成後は破損しにくいのも利点です.
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このキットはフルカスタムをつくるStyline kitのシリーズとして再リリースされています.
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大幅に車体を改造するためのパーツがたくさん入っています.
この時代になると人気があるのはライバルのシボレーインパラです.
 
【1965 Galaxie】
続いて第12世代となる1965-68年モデルです. AMTの1965 Galaxie Convertibleを1966年に組んだので説明書だけが残っています.
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その説明書がこれです.’65まではフェンダーラインが直線ですが,’66からコークボトルラインと呼ばれる盛り上がりが後部座席の脇に見られるようになります.67年モデルまで縦4灯式のスタイルが継続されました.
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Matchboxのポリスカー仕様のモデルがありました.
 
【比較】
ひととおり1/25モデルを年代順に取り上げたので,いくつかをピックアップして並べてみます.
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’28 Tudor Sedan, ’32 Coupe, ’40 Coupe, ’48 Coupe, ’57 Hardtop, ‘61Hardtopと並べてみました.どんどん大きくなっていくのがわかります.
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’61 Galaxieのサイズは幅2m,全長5.4mです.この後のフルサイズモデルですが,13世代となる1969-78モデルLTDでホイルベースは121in.(3.07m),全長5.69mと最大になります.大きなアメリカ車がデザインとして美しい時代は1960年代がピークです.後半にかけてヘッドライトが収納されるスタイルが流行りますが,70年代に入るとデザインは鈍重になり,さらに安全対策,環境対策によりサイズは縮小されていきます.
 
【プラキットの盛衰】
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これは1969年のAuto Worldの通販模型カタログに載っているAMTのトロフィーシリーズと呼ばれる旧車キット紹介ページの半分ですが,18台中2/3がフォード車です.車体の発展をみていくにはフォード車しかなかったわけです.
一方,新車の1/25 annual kitは1959年モデルから始まるのですが,フォードの他,GMやクライスラーも多様なモデルを出て一気に花開きます. AMTのannual kitが最も車種豊富だったのは1966年です.実車が一番魅力的だった時代ですね.AMTのannual kitリリースは1977年モデルが最後で,そのあとはプラモデル不況時代となるのです.’80以降のMustangなどのパーソナル/スポーツモデルを除いたフォードモデルはAMTの’89 Taurus,Lindbergの’96 Crown Victoria (Police car) などがありますが数は少ないです.
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Auto Worldの1969年型新車キットのMPCのページです.このころはAMTよりMPCが幅を利かせていました.このページには17モデル載っていますが,フォード車はMustang1台だけです.
 
【ウッディーはSUV?】
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米国フォードはセダンから撤退し,収益性の高いSUVやトラックに集中すると表明しています.ふと思ったのですが,かつてのウッディーワゴンはSUVの先駆けのようなものですよね.ロードスターからセダンへと主流のスタイルは変遷してきましたが,ウッディーやピックアップトラックの魅力を取り戻すということであればそれほどびっくりする方針転換ではないのかもしれません.
 
お付き合いいただいた模型で綴る米国フォード車の話はこれでひとまずお開きです.しかし,フォードの話題ついでにヨーロッパフォードについて語りたいことが少しあります.


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