古倉庫のプラスターキット [O-scale structures]
プラスターのストラクチャーキットをいくつか手に入れています。石造りやモルタル塗りの建物にふさわしい素材ですが、問題もあります。それは結構重たくて破損しやすいので、レイアウトに固定しない場合は保管などの扱いに苦労するからです。
これはStoney Creek DesignのGrandview Storageです。箱と、付属していた完成写真二葉です。このキットは古いレンガ建てをカバーしたモルタルがあちこちではげ落ち、窓も埋められた補修だらけの建物と、木造デッキのある貨物倉庫が一体となった形をしています。永福町にあった模型屋さんで購入したものです。Stoney Creek Designは今も年に1作品のペースでOスケールのストラクチャーを出していて、PanPastelというソフトパステルを使ったウェザリング/塗装手法を勧めています。一般用のPanPastelは日本の画材店にもありますが、まだ試したことはありません、
プラスターの壁面は早々に組上げて塗装も済ませました。随分前のことでメモが見つからず、どのような手順で塗装したか今は思い出せないのですが、満足のいく仕上がりになっています。ただここで止まったままになってしまいました。
これは裏側です。こちらの面から見れば完成していて、車を撮るときの背景に便利なので利用してきました。運転盤の真ん中に置くこともあります。
これが傷んだ建物の壁面で補修と埋め込みがあちこちにあります。ディテールはすべてモールドなので、4面を組み立てて塗装するだけです。
ところが、正面右側の倉庫部分が完成していません。木のデッキとアルミ波板を貼った倉庫前面ははめ込んだだけの状態です。さらに庇や照明、看板などがつくのですが、未仕上げのまま放置となってしまいました。
何故放置されたかというと、看板をどうするか悩んだことが発端です。国籍不明の鉄道なので、素直にアメリカ型とも決断できず、さらにディテールアップや内装をどうするかを考え出したからです。当鉄道にとっては比較的大きなストラクチャーなので撮影の時以外は片づけていたこともあり、そのうち熱が冷めてしまったということもあります。
久しぶりに箱から取り出したのですが、倉庫側の右側の壁がぐらぐらしていました。
手前の土台を外したら車の車庫として使えるので、少し手を加えてミニカーの展示コーナーにすることも考えられます。でもせっかくの倉庫前面も活用したいところです。
倉庫前面のデッキを取り払い、波板の壁を床の位置まで降ろして扉をはずしてみました。そこで思い浮かんだのがこのようなトロッコが出入りできる倉庫です。線路配置を描いてみました。140Rの曲線が分岐しています。貨車入替のジオラマとしてまとめてみるのもいいかなと思い始めています。
線路の埋め込みや簡易ポイントを作ったりする必要があるので工作には一手間かかりそうです。しばらくアイデアを寝かしておくことになりました。
Saw Filers Cabin(短く改築) [O-scale structures]
ロギングキャンプでの移動作業車で、ノコギリ類の維持管理をする作業所です。台車に載せたまま待避線に停車して利用します。Banta Modelworksは食堂車などこれと同類のものをキットとして出していて、Bachmann On30 flat carに載せて使うように書かれています。
モニター屋根も含めて細かな桟が入った窓枠が見事に並んでいる感じが気に入ったので手にしました。しかし、箱組にしたあとはしばらく眠っていました。そもそもこのような建物を車輛として扱うスペースもないので、据え置き型で利用するつもりでしたが、少し長すぎます。説明書の写真が本来の大きさです。
本来の箱組に組んだあとに短く改造することを思い立ったので、どうするか悩んだのですが、側面の反りを直そうとすると簡単に壁面がばらばらになったので、モニターの窓枠を二つ分短くすることにしました。
これが短く組みなおした状態です。壁の切断は小窓の部分を分断することになりましたが、埋め合わせでなんとかなりました。
壁面はタミヤ水性XF21スカイをエアブラシしました。窓枠や縁取りは白です。
床は固定ですが、屋根を接着せずに枠ごとすっぽりはめ込める構造になっているので後からインテリアを作りこむことができます。
天窓のついた屋根はドラフティングテープを使ってタールペーパー仕上げに。
反対側の荷物扉は両開きに変えました。
台車に載せることはないのでバルサ材で土台枠をいれました。階段は付属のものを加工。
解放感のある作業小屋が完成しました。ウェザリングは今のところしていません。
界隈で伐採事業はしていないので、何かの修理小屋になる予定です。
作業卓などを仮置きしてみました。内装を考えてみたいです。
分解収納できる、はめ込み式ストラクチャー [O-scale structures]
プラモデルにはsnap fitと呼ばれる、接着剤を使わずにはめ込むだけで組み立てられるキットがあります。ただし、組立を簡単にするのが狙いで分解は意図していません。車の模型などは分解しても収納スペースが小さくなるわけではないので、その必要もありませんが、ストラクチャーの場合は積み木遊びの要素もあって、分解して小さく収納できればありがたいです。仮設レイアウトや運転盤に時々並べて、使わないときはバラバラにして収納できるストラクチャーキットを2点、紹介します。
【Bachmann Hobo Jungle】
BachmannのストラクチャーシリーズはPlasticvilleと呼ばれています。Oスケールの鉄道車輌は自社では出していないのですが、はじめはライオネルなどのOスケール用に展開され、のちにHOやNを始めたようです。Oスケールのシリーズはトイトレイン向けということもあってはめ込み式のものがほとんどです。その中で特に重宝しているのがHobo Jungle(放浪者村)です。2002年に練馬の模型屋さんで買っています。
キットには貨車を改造した建物と小屋2件、そしてトイレが入っています。
トイレは他に使ってしまいましたが、残りの3棟は塗装をして、普段はこのようにビニール袋に収まっています。
ストラクチャーは突起をはさんで組み立てます。
3棟はこのように組みあがります。
重しを載せた屋根、ゆがんだ煙突など、風化した状態をよく表現しています。
開閉する窓もあります。ちょっとした情景演出に便利なセットなので、イベントなどに時々持っていきます。このシリーズでは他にCovered Bridgeなどが古びたストラクチャーの味を出しています。
【Lionel Freight Platform】
Lionelもはめ込みストラクチャーをだしています。
これは貨物駅で日本型としても使えます。
箱に収納した状態です。
台枠をはめ込みます。しっかり組めて簡単には外れません。
家屋は突起をはさんで組む方式です。窓やドアもはめ込み式です。
貨物扉はスライドします。
柱のはめ込みもしっかりしています。
屋根の収まりもよく、完成です。
灰色と茶色のスプレー缶を使い分けた塗装ですが、十分鑑賞に堪えます。
WebサイトをさがしたらLionelは健在ですね。トイトレインのイメージなので、日本ではなじみがありませんが、結構使えるものがあります。ストラクチャー類はOEMのようで物によって組み立て方や精密度が違うようです。
そういえばジオコレもはめ込み式でした。Oのストラクチャーは小さいものでもそれなりの大きさがあるので収納にいいのですが、Nならばらしてまでしまう必要はありませんね。
なべ倒し [O-scale structures]
なべトロ(転倒するなべを載せたトロッコ)は土木軌道に欠かせない車輛です。実物では手動で倒すシーンを見ますが、模型としては自動転倒の動作を眺めることができます。それも簡単な仕掛けがあれば、なべを走行させるだけで転倒と戻しの操作を手軽に実現することができます。
【市販の転倒装置】
ドイツ型製品にはたいてい動作可能ななべトロが用意されており,Nゲージではミニトリックス.アーノルト,フライシュマンのすべてに転倒装置が用意されています.これをHOナローに利用したレイアウトとしては林伸憲氏の「汽車の来るジャンク置場」(TMS454号,ナローゲージブック1所収)が知られています.
これはフライシュマンNの転倒装置です。カーブした覆いについている斜めの突起が右から進入時の転倒ガイド、線路手前の下からの突起が後退させたときの戻しガイドになります。
フライシュマンNのなべトロです。相当なオーバースケールと思われますが、各社製品とも機能優先で、ほぼ同じ形をしています。軸受の下に突起が出ていて転倒装置を通過する際に車輛ごと転倒しないように抑える構造になっています。
【HOナローの転倒装置】
かつて製作したHOナローレイアウト「からくり鉱業」(TMS’95 10 月606号)ではROCOのなべトロを使った砂利の積み下ろしができるよう,ホッパーと,独製品を参考に作った転倒装置を組み込んでみました.
レンガの建物の手前にあるのが転倒装置です。なべトロはロコの製品で、なべを支えるポッチを落として転倒できるようにしています。ただし車体が軽すぎるので頻繁に脱線します.Oナローでやれば動作も安定して面白いのではないかということで同様のしかけをつくってみました.
【Oナローの転倒装置】
なべトロはアルモデルの製品を使います。フレームはチャンネル材(コの字型)になっているので、その部分を挟み込む構造にすれば同様な転倒装置が作れます。
プラ板と真鍮線でつくりました。右から進入する仕様です。フレームを支える部分はプラバン、転倒と戻しのためのガイドは1ミリの真鍮線です。PECOのO-16.5用の線路を通すような設計になっています。
手書きの図面がありますので設計の参考にどうぞ。
波板の屋根を載せて完成しました。
トロッコのフレームを挟み込むガイドが両側にあるのがわかります。
倉庫に付着した形にしました。
写真には写っていませんが、積み荷は粗めのバラストなどを使いました。
6輌ほどをつなげて推進させて転倒の様子を眺めるのは楽しいものです。ただし、機関車は転倒装置に進入できないので、なべをすべて転倒させるには間に平トロを一両入れます。
2009年の夏のコンベンションでは手回し発電機を使った往復運転のかたちで展示しました。
実際のバラストの積み下ろしを実現するためには積み込み用のホッパーが必要です。
これが同時に製作した実動のホッパー棟です。これについては別の機会に述べるつもりですがこちらで簡単に触れています。https://karatcreek.blog.ss-blog.jp/2018-11-08 (Polaの鉱山用ストラクチャーキット)
実際にバラストの積み下ろしは、バラストが飛び散る上、ホッパー側の積み込みが結構大変です。からナベの転倒だけを眺めるというのも楽しみ方のひとつと言えます。
ポーチのある古家と作業小屋 [O-scale structures]
JAM2019に出展予定のレイアウトのためにストラクチャー2点を製作しました.
【ポーチのある古家】
同じ形状の小さな家は何作もあるのですが,どれもちょっとおしゃれな家でした.今回は切妻の面に扉とポーチがある傷みかけた家をつくりました.
建物の壁は方眼工作用のボール紙です.サイズがわかると思います.
板は1ミリ厚のバルサシートです.シートにはシャープペンシルを使って4ミリ間隔の筋を入れ,ところどころ傷んだようにします.加工が極めて楽なのがバルサシートの利点です.
窓の部分を抜いてから,箱に組みました.今回,窓枠にはGrandt LineとTichyの成形品を使いました.
床もボール紙でつくり,箱にします.
バルサシートにも窓枠が入るように切り抜きました.
バルサ体を壁面に貼り付けて,はみ出した部分を落とします.
建物は角材に載せて設置する形です. 5ミリ角の棒材にポーチの床も載せて接着しました.
屋根は波板張りとしました.工作用ボール紙にリップル紙を貼って表現しました.波板は単純に切込みを入れて重ねたような感じを出したつもりです.
破風板と垂木には木の角材を使いました.
木の部分は墨汁のアルコール割を塗りました.バルサ材はHOに使うのには少し荒いのですが,Oだと良い感じになります.
ポーチの柱や屋根は適当にまとめました.
完成です.北米型のbunkhouse(飯場)の趣ですね.
【作業小屋】
短い貨物用の側線に配置するもので,貨物駅を兼ねたような作業小屋です.こちらの床板はプラ板,側面の波板もプラの成形品で,屋根だけがリップル紙です.
棚や作業台を配置しました.
屋根の置石はプレスの石垣シートを切り出して載せました.
この二つのストラクチャーを配したレイアウトを次にお見せする予定です.
新たな土地?に小屋が三つ建ちました [O-scale structures]
手をいれている可搬レイアウトの右側部分ですが,機関庫の向こう側の土地が開拓され,小屋が建ちました.
4年ほど前からこの部分は隆起した緑地にしていました.この盛り上がりが収納に影響することもあって手前部分は平地にして,取り外しできるストラクチャーを置くことにしたわけです.
発泡スチロールを敷いて隆起させた手前の緑地をそぎ落としました.
剥がした部分にプラスターを塗って整地します.剥がした草はまた使えるので無駄にはしません.
整地された部分は建物が建つまでは駐車場です(笑)
この部分に新たに建てる三つのストラクチャーの土台です.1センチ方眼なのでサイズがわかると思います.
まず,こちらは作業小屋.扉は開けた状態にします.壁面はEvergreenの筋入り(V-groove)プラシート,窓はケント紙,屋根はドラフティングテープを使いました.左手前の床はボール紙で建物に固定,右側手前の土台は周囲をプラ棒でかさ上げしたものでレイアウトに固定します.
塗装前の状態です.
塗装を終えた状態.壁面はガルグレーを吹き付けてから手塗しています.屋根はウェザリングパウダーで変化をつけています.何の作業小屋でしょう.
こちらは物置,壁面は波板とし,EvergreenのMetal Sidingを使いました.
塗装を終えた状態です.ガルグレーを下地吹き付けし,木製扉はライトグリーンを手塗,ウェザリングをほどこしました.
残る一つはOuthouse,屋外便所です.プラ板を使わずバルサシートを使いました.
1ミリ厚のバルサシートは割れやすいのですが,このような貼り付けには問題ありません.
バルサは墨汁を垂らしたアルコール溶液でウェザリングしました.
こうして三つのストラクチャーが出来上がりました.
空地に設置しました.2ミリのねじを落とし込んで固定するだけで,取り外しできます.
作業小屋の扉が開いていますので,机,いす,棚を置いてみました.
中央のパネルから見た情景です.
機関庫脇から見た情景です.
レイアウトをつくるとき,全体の情景が決まらないと完成しないものですが,一度緑地にして仕上げておいて後から開墾するというのも面白い楽しみ方だと思います.
窯小屋(Kiln Hut) [O-scale structures]
窯小屋(Kiln Hut)
左の赤い屋根の建物ですが,絵付けなどを行う陶器工場だということです.だとするとやはり窯(炉)が必要だろうということで急遽右側に置いたのが窯小屋です.
中に小さな炉が収まっているというつもりです.製作の手順をまとめました.
3ミリ厚の発泡スチレンシートです.石作りということで,それらしい刻みをフリーハンドで入れます.
床板を入れて箱組にして,表面が石らしくなるように,刻みを入れます.さらに凸凹がほしいので流し込みタイプのプラ接着剤を部分的に少量筆塗して溶かしました.
サーフェーサーを吹きます.
タミヤの水性アクリル溶剤に墨汁をたらしたBlack Washを筆塗して溝を強調します.
パステルを使って石の色に変化をつけます.様々な使い方がありますが,ここでは直接擦りつけては水性アクリル溶剤でなじませました.
建物右下部には通風口を適当にあしらって付けました.屋根は1ミリ厚発泡スチレンシートの表面にそれらしく筋目を入れ,塗装したもので,工作用紙の上に貼っています.煙突はプラキットの余剰パーツを利用しました.扉はバルサシートでつくりました.
小品なので手早く完成させることができました.
”最近は陶器用の小さな炉が出回っているようなので,なんとか収まるでしょう.でもひょっとしたら酒のつまみの燻製をつくるだけになるかもしれません!”
早速工場の脇に設置しました.燃料の薪も用意しました.
屋外灯をつくる [O-scale structures]
手軽なLEDをそのまま利用して柱や壁についている笠付電灯をつくりました.
最近はめっきり見る機会がなくなったS字首のこのタイプです.たまたま数日前に拝観したお寺(建仁寺)の渡り廊下のところにありました.
模型用の笠付電灯で重宝したのが中央のWalthersの製品で12V給電です.HO用ですがOとして活用してきました.左はGRSのHO製品で1.5V用です.
そして右側が今回製作したLEDを使った電灯です.今回は工場と機関庫に取り付けるのですが,電源は簡易な電池による3V給電とし,消費電力の少ないLEDを利用します.LEDは径3ミリのものが手軽で,電灯色,抵抗入りで直接3Vがかけられるものを使うことにしました.
電灯の笠をどうするか考えたあげく,ビーズ用アクセサリショップの貴和製作所で直径10ミリのちょうど良いものを見つけることができました.電球側は平らですが,良い形をしています.ボタンを扱う店に行けばもっといい形のものが見つかるかもしれません.
3ミリの孔を貫通一歩手前まで開け,笠側を黒で塗装後,緑を吹き付けました.そしてLED(3ミリ径,電灯色抵抗入り)を押し込みます.LEDのプラス側はS字に曲げた後ビニールチューブを入れます.壁に差し込む形に整えれば完成です.
電源は単3二本用のスイッチ付ボックスを使いました.コードの先は室内用のLEDをつけてあります.
機関庫の内部に置く電池ボックスは戸棚に見えるように表面を加工しました.
機関庫内部です,差し込まれた屋外灯は小さなソケットで接続します.
工場の照明も同様で,室内灯と屋外灯があります.
屋外灯が点灯しました.
機関庫の内部にも照明があります.
夕暮れ時の雰囲気が楽しめます.
給水塔と石炭置き場をつくる [O-scale structures]
A2パネルの組み合わせレイアウトの機関庫脇に設置する給水塔と石炭置き場をつくりました.
給水塔は木製の櫓の上に円筒の金属タンクという構成です.
タンクの直径は4センチ,トイレットペーパーの芯に0.2ミリプラ板を巻きつけました.
プラ棒で櫓を組んでいます.右上はトイレットペーパーの芯.栓はプラの部品があったので利用しました.
タンクの蓋はプラ板による木製
塗装完了.ホースは電気絶縁用の収縮チューブですが,形を抑えるために中に真鍮線を入れています.
プラ板のあまりで石炭置き場の枠をつくりました.
石炭は発泡スチロールの破片の上にバラスト材を固着して表現しました.
給水塔と石炭置き場をレイアウトに設置しました.
工場のまわりを引き続き補修中です.
張りぼて工法による小さな木造機関庫 [O-scale structures]
古びた感じの,Bタンクがやっと収まるぐらいの小さな木造機関庫をつくりました.今回は工作用段ボール紙のモックアップに壁素材を貼り付けていく“張りぼて工法”でつくることにしました.
これが工作用ダンボール紙の土台です.1㎝方眼なので寸法がはっきりわかります.(後で述べるように3ミリ屋根をかさ上げする変更がありますので,寸法の参考にされる場合は上端を3ミリ上げてください.)窓枠はケント紙で作ることも多いのですが,ここではグラントラインのOスケールの窓枠アソートセットに中に一枚ずつ入っていた外枠がない横スライドにも使えるものを拾い出しました.ボール紙の内側に貼りますので,窓の部分は正確に切り抜いておきます.
角は5ミリと3ミリのプラ角棒で補強します.
両側の扉枠ですが,ここに蝶番をつけるので,タミヤの5ミリL字材を使いました.
扉は可動で180度開く蝶番式にしたいと考えましたが,しっかりした蝶番をつくるのは結構大変そうです.そこで東急ハンズで見つけた小箱用の蝶番(長さ14ミリ)をニッパーで上下に分けて使うことにしました.
扉は筋目入り1ミリプラ板を両側で張り合わせ,帯板をつけました.蝶番は0.7ミリ径のTピン(アクセサリー材料店で扱っている虫ピンをなましたようなもの)で固定し,瞬間接着剤を垂らしておきます.扉のはめ込みは,扉側の蝶番に0.8ミリ線を入れて接着し,枠側の蝶番に落とし込む仕組みで,すぐに取り外しできる構造です.
下地塗装をして,扉の開閉を確かめます.しかしここでミスが発覚しました.屋根が低くて破風板をつけると開いた扉にあたりそうです.そこで屋根の角材の縁にさらに3ミリの角材を当てて少し高くしました.
屋根の縁にのった白い角材が3ミリ屋根をかさ上げした部分です.壁面は縦板目としました.使ったのは0.5ミリ厚プラ板で,Pカッターを使い大体4ミリ間隔で筋をいれますが,現物合わせでプラ板の破片を適当な大きさで切り出して埋めていく要領です.板の幅は両端寸法の調整もあるので不揃いです.土台部分は5ミリほど板を張らずに残します.木目は粗いサンドペーパーをかけ,所々傷んだ感じに仕上げます.窓枠は別に切り出します.窓下部は2ミリ角です.
屋根裏は角材で破風板,隠し板を組み,紙の差し込みガイドをつけておきます.
縦板を張り終えたところです.このあと壁面には調色スプレーの薄いグレー(ガルグレーを使用)を吹き,そのあと,部分的にウッドブラウンを吹いて木調の仕上げに入ります.
仕上げはパステルの粉を使いました.茶色,グレー,黄土色など複数色を用意し,粉にしたものをアクリル塗料用溶剤(タミヤX20A)や水で溶いて塗っていきます.粉のまま擦りつけても違った効果がでます.市販のウェザリングパウダーやアクリル塗料も併用できます.毎度試行錯誤しています.
ひととおり木材らしくなったら,アクリル塗料用溶剤(タミヤX20A)に墨汁をたらした黒汚し溶液を塗って筋目を強調します.
屋根は波板張りとしました.ピッチ幅1.6ミリのフォーム成型板(Plastruct PS47)を使いましたが,特にピッチ幅にこだわったわけではなく,ありあわせです.グレーを吹いた後,ウェザリングパウダーの擦りこみで錆びた感じに仕上げます.
ちょっと汚しすぎかもしれませんが,完成しました.
A2パネルの組み合わせレイアウトに設置しました.レイアウトは運搬するので,建物は固定せずに,下枠の5ミリ角材に2ミリの孔をあけ,そこにビスを落とし込んで設置しています.
さて,これは今まで配置されていたモルタル壁の機関庫でプラ板製です.これも気に入っている作品で,扉は上下端にとりつけたピンで開閉します.この作品は別に使うことにしましたので,このシーンは古びた建物に置き換わり,時代を逆行してしまいました(笑).