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再びウェールズへ(6)何度かゲージを変えたミニ鉄道 [railway visit]

【Fairbourne Miniature Railway】

5日目は3泊したポースマドッグを離れて,車で巡ることになりました.まず訪れたのはポースマドッグから50kmほど走った海岸沿いにあるフェアボーン鉄道(Fairbourne Miniature Railway, FMR)です. 



ゲージが311mm(12・1/4in)というライブスチームのようなミニ鉄道です. 

フェアボーンと河口の対岸にあるバーマス(Barmouth)は砂浜が広がる保養地で,フェアボーン側は砂州のようになっており,対岸に渡るフェリー乗り場までをつなぐ3.2kmの路線になっています.ローカル線(Cambrian Line)は遊歩道を備えた橋Barmouth Bridgeが河口に架かっていますが,車の場合,かなり内陸まで迂回する必要があります.前回は内陸側にあるベラ湖畔鉄道を訪問してから海岸沿いのバーマスにでて,そこからフェアボーンにフェリーで渡る計画だったのですが,汐の関係で乗り場が移動しており,遊歩道があるにせよスーツケースを転がしていく気力はありませんでした.結局,時間の関係でカンブリア線にのってフェアボーンは通過したので今回の訪問を楽しみにしていました.


ゲージに関しては複雑な変遷を経て今日の姿があります.

もともとは対岸への舟の渡し場までの馬車軌道として1895年に2ftゲージで開業しています.そして1916年に15inゲージの鉄道としてBassett Lowke製の蒸機が導入されます.ロムニー鉄道と同じゲージですね.その後オーナーが代わったりしますが,蒸機は増備されていきます.1926年には18inゲージの車輛が導入され,途中駅まではデュアルゲージとなりました.しかし,このゲージの車輛には走行上の問題があり間もなく廃止,全体の運行も大戦中の1940年に休止となります.1947年には再興されるのですが,70年代になって観光客の減少に悩まされます.

一方,1978年フランスで311mm(12・1/4in)ゲージの鉄道が開業します.廃止された鉄道の路盤を利用して5㎞の区間で開業されましたが,諸事情で1年後には廃止となりました.そのオーナーがフェアボーン鉄道を買い取り,保管車輛を走らせるために 311mm(12・1/4in)ゲージへの変更工事を行い1986年再開したのが現在の姿らしいです.フランスでの様子についてはこちらに記載されています.


不要になった15inゲージの車輛はあちこちに引き取られたようで,そのうちの一台Ernest W. Twiningは修善寺虹の郷にきています.


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▲車でフェアボーンに到着,カンブリア線の駅に隣接して車庫と出発駅(道路向こう側の手前)があります.

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▲車庫とのぞき込んでみると,出発準備の車輛がいました.縮小コピーですが,標準軌ではなく,ナロー機が対象なので,ロムニー鉄道のようなミニチュアライブのような雰囲気ではなく,一人前の鉄道の雰囲気です.

そして奥にダージリンの機関車を見つけました.

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▲1/2サイズのダージリンの蒸機が目当てできましたというと,わざわざトラバーサーのところに出してくれました.このダージリン機はフランスからの発注で名称もFranceだったのがこちらに来てSherpaとなりました.1978年製

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▲Sさんがショーティの模型を持参していたので一緒に記念撮影!

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▲ハンスレのコピー機Qwrilはバテロコらしいです.

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▲ヤードには4半円のターンテーブルと移動式の分岐があります.

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▲これはFlexitrackで,部分線路をずらして分岐先を選択します.

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▲当日の牽引はYeo.これもフランスから渡ったもので元の名はJubilee,1978年製

フェスティニオグ鉄道にもあったLynton & Barnstaple RailwayのManning Wardle機がプロトタイプということで人気があるんですね.

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▲蒸機がつながって出発準備が整いました.手前の線路のように途中まで15inとのデュアルゲージが続いていますが,線路は錆びていて最近使われた形跡はありません.

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▲車内の様子です.海岸に近い草地の中を走行します.

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▲終点近く.遠方に見えるのが河口を横断するカンブリア線の鉄橋Barmouth Bridgeで遊歩道があり,両岸を往来する散策コースがあります.


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▲終点駅に到着.ここからは対岸にわたるフェリーがでています.この日は寒さが戻ったような天候で,人出は今一つでした. 

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▲終着駅はループ線になっているのですが,当日の運行は折り返しでした.出発側のターンテーブルは90度しか回らないので機関車の向きを変えたいときに使うのでしょうか?

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▲向こうにみえるのが対岸バーマスです.

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▲機回しが終わり,戻る準備です.

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▲こんな風景が続きます.

極端なミニゲージですが,ナローの車輛をモデルにデフォルメされていて,運転席がキャブ内にあるので,ライブスチームの感覚ではなく,立派な鉄道の雰囲気がありました.ただし,一両だけ標準機のミニチュアを保有しているようです.


Sさんのビデオクリップがこちらにあります:



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