模型で比べるフォード(3)’32年型 [car model]
1927年にアルファベット名がT型からリセットされA型になったフォード車は5年後の1932年に大きなモデルチェンジをします.ただし,B型と呼ばれたのは直列4気筒エンジンを搭載したモデルで,その年の話題となったのはV8エンジンを積んだモデルで,Model 18と呼ばれました.模型になっているのもV8モデルです.このモデルチェンジでさらに車体が大きくなりましたが,英国フォードでは独自の小型モデルが開発されるなど,国によってモデル展開が異なってきます.ここでは米国車を扱いますが,ヨーロッパモデルも少しあるので時折比較したいと思います.
【1/25プラキット】
これが手元にある’32 Fordのキットで左の3台はAMTのキットで上から,Coupe,Victoria,Phaetonです.いずれもストック仕様が組めます.右の2台はRevellのキットでホットロッド専用キットですが,ボディ比較のために取り上げます.
AMTの5-window coupe(仮組)です.1960年に登場して以来何度も再生産されているロングランキットです.ストックボディということですが,僅かにキャビンがチョップ(低く)されているようなので正確性を求めるなら比較的新しいモールドのRevellのキットがいいでしょう,ヘッドライトを支えるバーの真ん中にV8のマークがついています.ホイールはワイヤリムですが,タイヤ形状は今日のものに近くなっています(模型は正確ではないかもしれませんが!).ホットロッド仕様のベースとして特に有名な車種でDeuceと呼ばれています.
1966年に入手した初期キットの説明書が残っています.
その後の主力エンジンとなるFlathead V8(仮組)です.AMTのこの辺りのキットはホットロッド用にシボレーのエンジンが付属していて,残ったエンジンを展示するための台(写真の台はPhaetonとVictoriaに付属)が入っています.
ホットロッドの入賞トロフィーがあるのもうれしいです(PhaetonとVictoriaに付属).
T型(左),A型(中央),’32年型(右)のロードスターモデルを並べてみました('32年型はAMTのフェンダーにRevellのボディをはめているのでモールド色が違っています).徐々に大きくなっていくのがわかります.直4が3.3Lなのに対し,V8は3.6Lなので排気量はあまり変わらないですね.
ラジエターグリルの変化です:T型(左),A型(中央),’32型(右)
ボディ・ヴァリエーションです.奥のグレーのモデルは左がphaeton(AMT),右が5-window coupe(AMT),手前の白いボディは左がVictoria(AMT),右がroadster(Revell)です.
セダンで手元にあるのはホットロッドのチョップドボディ(Revell Oange Crate)なのですが,ヴィクトリアと比較のために並べました.左がSedan,右がVictoriaです.Victoriaは高級仕様で後が少し萎められていて,スペアタイヤを背負います.
再販されたVictoriaのキットはオプションパーツが盛りだくさんで,箱のミニチュアまで付属しています.
チョップドセダンボディのOrange Crateはレースとショーモデルを兼ねたモデルで,友人と競作を始めた1965年に最初のキットを手にしました.当時$2の製品は¥1200でしたが,Revellはグンゼ産業との提携で¥720 ,さらにこれはバーゲンで¥480でした.箱は買いなおした再販品です.リフトボディーなのにわざわざドア開閉になっているなどRevellらしいです.
ところで前回述べたように’28年A型のwoody wagon(MPC/AMT)の車体がまだ二つあります,そこで’32年型をウッディーに改装できないかと.’32年型(AMT)にのせてみました.カウル部分を大きくする必要がありますが,他はフィットしましたので有望です.
【1/43モデル】
1/43モデルです,左のRoadsterはERTL,右のクーペはRoad Signature製.それからプラキットのクーペは5-window coupe,それに対しこちらは3-window coupe,クーペも2種類あったわけです.
ホットロッドモデルはプラキットや1/64に多数ありますが,1/43は珍しいです.こちらはUniversal Hobbiesのモデルでエンジン付き.人気がないのか家電系ホビーショップのエスカレータ脇のバスケットでバーゲンになっていたのでまとめ買いしました.
次は’34年型です.