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入門用2軸蒸機図鑑 [O-16.5mm (On30, O16.5)]

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手持ちのHO入門用2軸蒸機を取り出してみました.Oナローの下回りとして利用するために集めたのですが,そのままにしておきたいものもあります.下回りの写真と動輪の直径と軸距を列記しましたので,流用される場合の参考にしていただければと思います。(寸法は定規をあてた実測値ですので,多少の誤差を含みます)
 
【IHC Dockside】動輪径15㎜ 軸距25㎜
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ドックサイドはいくつかのメーカーからでていますが,これは旧ユーゴスラビアのMehanoの製品です.
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バルブギアまわりが太めですが,タイヤのリムが薄く,なかなかよくできた製品です.
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これを利用してVulcan風のOナロー機に改造したものです.モーターを換装,キャブを新造,サドルタンクに手を加えて煙室を前に延長しました.
 
【Mantua Goat 0-4-0】動輪径15㎜ 軸距25㎜
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1988年にボストンで購入したキット版です.テンダーと集電極性をわけていますので,タンク機にする場合は加工が必要です.動輪3軸のものもあり,そちらはOナロー機に改装していますが,こちらはそのままになっています.
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モーターは古いオープンフレームです.力が弱いので換装したいところですが,固定方法を考えなければなりません.非集電側の車輪の一つはゴム輪がはまっています.
 
【Life Like Tea Kettle】動輪径15㎜ 軸距30㎜
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これは仙台のKさんからいただいたものです. ほど良いおもちゃ感があるのでそのままにしています.
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ピストンロッドはちゃんとしていますが,タイヤリムが厚めです.
 
【Model Power Old Time 0-4-0】動輪径12.5㎜ 軸距23.7㎜
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1989年にボストンのおもちゃ屋で買ったもので,製造は旧ユーゴスラビアのMehano.ピストンはロッド一体の簡易型です.動輪径が小さいのが特徴.シリンダーをふさぐようにステップがあり,全体のバランスも今一つです.
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ロッド式内燃機としても使えそうです. 
 
【Model Power Deluxe 0-4-0】動輪径15㎜ 軸距28㎜
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レビューしたばかり(2018-12-15)ですが,現在も新製品が手に入る数少ないモデルです.
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ウェイトが一体になっているところが構造としては残念です.
 
【Hornby Pug】動輪径12.2㎜ 軸距23㎜
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英国の入門ロコで,DapolからHornbyに移籍しました.最近Hornbyからはディテールが向上したモデルが出てきましたので,これは廃版かもしれません.
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下まわりはシンプルですが,ブレーキシューがモールドされたしっかりとした出来です.分解に意外とてこずります.またシリンダーのカバーを外すとピストンロッドはありません.
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これを利用したプラ板製のOナロー機です.クロスヘッドはアルモデルのものを使っています.
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英国のボディーキットでもよく利用されます.これはホワイトメタルの塊のようなWrightlinesのBagnall.クロスヘッドもメタルです.
 
【Bachmann Percy】動輪径15㎜ 軸距30㎜
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トーマスシリーズの一台です.目玉が動きます.一度分解すると戻すのが大変なので分解したままの写真です.
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モーターは真ん中に立っています.目玉を動かす機構を活かしたいと考えてしまいます.
 
【Fleischmann Anna】動輪径14㎜ 軸距30㎜
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フライシュマンの定番ロコで,さすが安定した走りです.いまは製造されていないようで残念です.
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がっちりとダイキャストブロックで組まれているので,下回りを利用するとしたらこのまま使うことになるでしょう.
 
アメリカ型の動輪径は15㎜が多いのですが,タイヤリムの厚さによって大きさの印象が随分違うことがわかりました.またTaddieさんのブログでとりあげられたようにModel Powerからは別な仕様の入門機があったようです.
最近は細密化,プロトタイプ指向が進み,ここで紹介したような入門用ロコは少なくなりました.手軽に改造して楽しめるので是非製品化を続けてほしいところです.
(2018年の大晦日に書きました.今年一年お付き合いいただきありがとうございました.来年もよろしくお願いいたします.)


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ポケットライン・ナロー(1)国籍不明な木造車輛 [HO-9mm]

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KATOのポケットラインの動力を使った国籍不明(からくり鉱業仕様)な木造車輛の話です.
 
【ゲージ換えしたスイス風凸電】
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この赤い小さな電機は24.5WBのパワートラックを使ったHO-16.5mmのモデルです.1987年の正月明けに完成しました.しかし,この作品はもともとポケットラインを利用したナロー電機でした. 
スイスのメーターゲージ,ヴェヴェイ電鉄(CEV)の凸電で,キャブの角を斜めにしたところにドアがある腰の低い機関車のデザインを参考にして2輌,ポケットラインの下回りを利用した凸電をつくってみることにしました.
車両と同時にレイアウトにも着工し,A2判のパネルを利用し,エンドレスと引き込み線を備えたプランとしました.登山鉄道風に勾配を入れ,観光地になっている石造りの塔の廃墟のプラキットがファーラーから出ていましたので,それを中心にシーナリーのイメージを練りはじめました.とりあえず線路を敷き,試走を繰り返してみました.しかし,勾配をいれたことと,ポケットラインの動力性能や,軽すぎる車体が災いして,満足いく走りが得られません.結局,シーナリーに手をつけるところまでには至らず,解体してしまいました. 
わたしのナロー1号レイアウトは幻(写真もプラン図も残っていない)となってしまったのですが,この凸電は塗装を除いてほとんど完成していました.当時HOの小レイアウトがありましたので,せっかくならと16.5mmに改軌することを思い立ちました.この車両の車体幅は24mmですが,中心部の幅が28mmになるパワートラック用の下回りにのせてもバランスが保てる見通しがたちました.しかし,ポケットライン用の床板は既にキャブに接着済みです.そこで床板ごと新しい下回りにのせることにしました.
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ポケットライン用フレームと比較してみました.赤い電機の機械室の裾にある板はポケットライン動力にのせた床板と同寸で,このナロー用の床板がそのまま残っているのがわかると思います.
こうして凸電はパワートラックを動力とした標準軌車両として完成し,今日に至っています. 
 
【木造キャブの機関車・レールカー】
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ナローゲージを本格的に再開してからは,またポケットラインを動力としたものをいくつか試みてきました.ホイルベースが長く車輪径が小さいので,機関車には不向きで単端の下まわりに利用するのが一般的ですが,わたしが試みたのは特殊な形態のものばかりでした.いずれも試作段階で中断したままジャンク箱に放置されてきました. 
 最近になって,ポケットラインの動力はBトレインショーティーの動力として再び脚光をあびるようになりました.また,小型電車動力と称するポケットラインと似た規格のボギー動力も登場し,充実したものになってきています.また,トミックスからミニカーブレールが登場したこともあり,広く普及したこれらの製品を使って何かつくりたくなってきました.
 そこで思いついたのが木造キャブの車両やウェスタン風レールカーです.鉄道のコンセプトはまだ明確ではないのですが,車輛に関してはなんとなくイメージが固まっています.中米や南米にありそうな産業軌道用動力車輌といったところです.
 木造キャブをつくるのにふさわしい素材はエヴァグリーンの筋入りプラシートで,厚さは0.5mmと1mm,筋の間隔は1mm,1.5mm,2mmを用意しました.こういう材料を使うということは図面貼り合わせによる切り抜きではなく,直接,素材をけがくことになります.mmといっても正確にはインチ規格ですので,あくまで素材の筋目にあわせて,設計することになります.
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こうして機関車とレールカーをつくりました.
  
【ディーゼル機関車18号と19号】
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凸電(チビ凸)用動力を使った機関車です.本来なら凸電にすべきスタイルですが,内燃機です.エンジンフードの反対側は,一両はスロープのある機械室,一両は作業員も乗れる荷台付きとしました.
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【レールカー20号】
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コロラドナローのCasey Jonesからヒントを得たレールカーです.動力はBトレインショーティー対応の小型車両用動力(11-107)を使っています.
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窓の間隔は筋目に沿ったものなので,シートの現物あわせです.内側から貼り付ける窓枠の寸法は切り抜いた車体の開口部をシャープペンシルでなぞって割り出し,切り抜くという横着な方法ですが,簡単でうまくいきます.ラジエータやエンジンフードも適当につくりました.前方の傾斜した屋根は曲線をつけてカットして面あわせをしただけですが,何とかなりました.屋根に載っているヘッドライトは銀河モデルのパーツです.
ボギー動力だけあって片台車駆動とはいえ,こちらのほうが走行は安定していますね.
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【レールカー21号】
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こちらはチビ客車の動力を使ったレールカーです.エンジンフードは20号と共用で,デザインも20号と似ていますが,客室の窓が開放なので屋根付きトラックといった類いです.
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【アルモデルキット改造のレールトラック22号】
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さて,プラ板ものを4作つくったところで,アルモデルのレールトラックのキットに手を加えることにしました.エンジンフードはT型フォードと思しき小さなものがついていますが,アルモデルが分売しているA型フォード用をあてがってみるとこれがぴったり.さらにシンプルすぎるキャブですが,プラ板の貼り付けによって前作同様の木造キャブに仕立てました.さらに荷台には屋根をつけ,人員輸送トラックもしくは遊覧レールカーということにしました.
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これらの作品は2009年に製作しました.


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Model Powerの0-4-0蒸機:サウンド付き無線運転機能 [O-16.5mm (On30, O16.5)]

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少し前になりますが,新額堂さんで入手した1908 Vulcan 12tonのOナローレジンキットです.このキットはTadさんが随分前に取り寄せられているようで,そちらの様子を伺って進めようかともおもっていましたが,下回りがないことには組立のイメージがわきません.5ページにわたる説明書も手書きの図が少しあるだけの文章主体の内容です.下回りはAHM or Model Power HO A-3 0-4-0を利用することとあります.
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すでにこちらの製品を持っていましたがどうも違うようです.これは旧ユーゴスラビアMehanoの製品です.検索してみると過去には様々な形態のものがあってどれなのか特定できません.現在も手に入るものを調べてみると今もModel Powerの入門用と思しきBタンクが売られています.さっそく取り寄せることにしました.
 
値段は通常仕様の場合$20で送料の方が上回ります.そこでDCC仕様のものと合わせて取り寄せました.
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上のDC仕様が$20,下のDCCサウンド付きが$60です.DCCサウンド付きにはRadio Control対応とDCCとは別項目で表示してあります.
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あけてみるとどちらも外観と本体分解図は同じで,Deluxe 0-4-0という安易な製品名です(笑)
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DCC仕様の方にはリモコンがついています.とりあえずDCCの準備をしていないのでDCに載せてみますがそのままでは動きません.まずリモコンに付属の電池をいれ,線路に十分な電圧をかけるとペアリングのようなことが行われ,リモコン操作でコントロールできるようになりました.方向変換,速度変更,停止,ライト,ブラスト音,ホイッスル,ベル音が操作できます.音質は今一つでキンキンしています.
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あけてみると一枚の基板が詰め込まれていてスピーカーは裸のままキャブの天井にくっついていました.
このコントロール方式はMRC Loco Genieと呼ばれるものです.製品サイトはこちらにあります.https://www.modelrectifier.com/locogenie-s/125.htm
付属のコントローラは簡易版で,制御機能を変更したい場合は別の機器が必要なようです.
 
Model Power はパワーパックをだしているMRCのブランドになったのでこのようなことに力をいれているのでしょう.DCCがなくても無線で個体別制御ができるとうたいながらDCCにも対応した一体型基板というところがミソです.機能は限定的なので満足できなければDCCに移行しなさいという橋渡しの役割なのでしょうか? DCCの説明書も梱包されていてサウンドも充実しているようなので試す予定ですが,この実装のままではよい音は期待できません.安普請の機関車にあえて機能を押し込んでいるところがご愛敬です.
 
さて,最初の話題に戻りますが,このモデルもVulcanの指定下回りとは違ったようです.改造を加えて利用するが思案中です.


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回路キットで組んだミュージックシンセサイザー(回想) [sound, music]

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70年代後半はアナログのミュージックシンセサイザーが発展した時代でした.実験的な興味があったので製品は買わず回路キットを手に入れてそれらしい楽器の形に仕上げました.
 
アナログシンセサイザーの構成は人間の発声に例えるとわかりやすいと思います.信号生成(喉)→フィルター(口腔など)→アンプ(呼気)のモジュールからなり,それらを過渡信号(エンベロープ)や低周波信号などで変調する構造になっています.
当時の製品のことを少しあげておきます.
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これはその先駆的なメーカーであるMoog社製品のヤマハの輸入カタログ(1976年板)です.表紙はパッチコードで結線を行うモジュール構成のsystem55で価格は600万円となっています.冨田勲氏がオーケストラ作品を発表していた時期で,単音を重ねていくので作品の制作には大変な労力を要したと思います.
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Mini Moogはロックやジャズのステージでも使えるコンパクトにまとめられた機種です.
日本ではRolandやKorgが製品を展開していた時期です.当時注目していたKorg MS20は最近キットの形で発売されたので手に入れたかったのですがスペースの関係であきらめました.
 
そのころアンプなどの電子回路キットに親しんでいたので電子工作雑誌にシンセサイザーのキットの広告を見つけて早速購入しました.WAVEKITというブランドで,わたしが手に入れたのはワンボードの基板と部品から成るWAVEKIT ワンボード・マイクロウェーブ・シンセサイザです.エッチング板にキーボードパターンがついていましたが,ちゃんと使うにはキーボードは別に入手する必要がありました.また後にはパネルが発売されたようです.工作趣味としてはどのように操作パネルをまとめるかが楽しみでした.
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これがそのブロック図で発振器(VCO)2基,ノイズジェネレータ,フィルター(VCF),アンプ(VCA),エンベロープジェネレータ(ADSR, AR)で構成されています.
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キーボードは中古のオルガン用を入手し,木箱に収めました.
木板には木目シールを施し,当時よく見られた電子鍵盤楽器のような外観にしてみましたが,電源部分の蓋は未完のままとなりました.
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つまみやジャックが並ぶパネルはアルミパネルがベースです.しかしそれを塗装するのも大変なので得意なプラバン(スチレンシート)を貼っています.プラバンを黒塗装し,インレタとテープライニングを施し,その上から剥げにくいようにクリアラッカーを吹いて仕上げています.写真がこれしか残っていないのが残念です.
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これがパネルのつまみ配置図になります.
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配置図をコピーしてレジストレーションチャート(設定を記入するシート)として使いました.
 
肝心の音ですが,フィルターの効きがいまひとつだったことや温度補償をしていないので音高が安定しないなど,実用としては改善の余地がありました.単音楽器なので音づくりには多重録音用テープレコーダーなどが必要ですが,そこまでは踏み込みませんでした.そのまま活用することもなく,処分してしまう結果となりました.
 
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電子音楽機器に関してはほかにコーラス効果の回路キットを組んでいます,写真下方にある箱がそれです. BBDという素子でディレイ回路が組まれていて,多少ノイジーなのですが,効果は十分に楽しめました.
 
その先自分がシンセサイザーなどの電子音楽技術を教えることになるとは当時考えもしませんでした.そのことがわかっていれば捨てなかったのでちょっと残念です.
 
最近またアナログシンセサイザーが注目されていますが,当分はソフトウェアによるシミュレーションで済ますことになりそうです.


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