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クライマックス型の小さな蒸機 Climax-Mini [O-16.5mm (On30, O16.5)]

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【ボディキット】
Boulder Valley Models(以下BVM)のボディキットApex 14t Geared Steam Locoを組みました。BVMはOn30のレジンキットを出していたメーカーで日本ではナローガレージさんが扱っていました。基本はフリーデザインで、HOの動力に被せる車体と貨車のショーティーを数多く出していました。フリーデザインの小型車両という独自の分野で人気がありましたが、残念ながら廃業してしまいました。
 
このキットはBachmannのHO Climax 50ton に被せるOナローボディキットです。BachmannからはOn30でも28ton 機がでていますが、当鉄道では大きすぎてもう少し小さいのがないかと思っていたところにこのキットが登場しました。シェイと違って脇差シリンダーのクラスBというタイプには小型のものは実在せず、これはあくまでもフリーデザインです。このキットは“小鉄道向けにMalarkey兄弟が1906年に模造してApexの名で売り出した”というストーリーがついています。Climax機の特徴をうまくディフォルメしてまとめています。
 
【動力】
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このキットを入手した少しあとに動力を探したのですが、あいにくと当時は3トラック仕様が出た時期で2トラック仕様は手に入りませんでした。ようやく再生産されたのが数年前で早速手に入れたのはDCC sound readyという仕様です。
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これにはスピーカーがテンダー床についているのですが、サウンド基板だけは別売りでDCC基板のソケットに差し込むようになっています。このことに気づいたのは今回の組み立て時で、専用ソケットの別売り基板は品切れになっていました。ボディキットが出た当時の動力にはスピーカーはなかったようで、テンダーかキャブ屋根のどちらかにスピーカーが取り付けられる設計になっています。サウンドのことはあらためて考えることにしてそのまま組み立てることにしました。
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次は当鉄道の急なカーブをこなせるかが課題です。前の台車とシリンダーをつなぐジョイントがかなり短く、台車の回転を制限してしまいます。そこでこの台車の動力ジョイントを外し、後ろ台車の駆動のみにしたところ、なんとか常設している225mmの半径をクリアしてくれましたので、この状態で使うことにしました。
 
【組立】
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ボディキットはレジンモールドが主体です、レジンは良質で切断時の臭いもありません。部品はかなり細かく分かれていてリベット打ちの帯板まであります。レジンの性質として反っているパーツが多いのでお湯で形を直しましたが、やはりくせは取れません。反りが残るキャブなど、ちゃんと組めるのか心配になります。
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また割れやすいので注意しながらパーツを整えましたが、ベルのブラケットはバリ取りの段階で4つに割れてしまい使えません(左)。幸いブラスパーツ(右)をストックしていますので置き換えます。
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床板は前後に分かれていてその上にテンダー、キャブ、ボイラーを載せて状態を見ます。
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キャブとテンダーはねじ止めで、ボイラーとキャブは一体にします。シリンダーに挟まれた位置にあるボイラー支えは上から前部の台車をねじ止めする構造になっているため、ボイラーとその支えを固定することができません。支えにうまく載るように調整し、全体のバランスを確認しています。
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主要パーツがほぼ整いました。
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キャブ、ボイラーまわりです。キャブ屋根は0.3ミリプラバンです。
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キャブ・ボイラーの裏側です。モーターのフライホイールは切り欠きの中に入った位置になります。ボイラー脇のランニングボードは反っていて直せませんが使いこなした機関車としてはありでしょう。
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一通り組んだ段階でドーム台の隙間などをパテで埋め、下地処理としてミッチャクロンをスプレーしたあとMr.サーフェイサー1000グレーを吹きました。
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端梁ですが、後端部のステップ支え(左)は作業中に折れてしまったので、プラ棒で補強しました。また前端部(右)は上に反っているためにプラバンをあてがって抑えるようにしました。
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車体は艶消し黒、屋根はマホガニー、燃料の薪はウッドブラウンの缶入り塗料を吹き付けました。煙室まわりはシルバーのエナメルを手塗しました。
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ライトはレジンの古典的な油灯が付属していますが、点灯には加工が必要です。結局機関車に付属していたライトを使うことにして配線しました。
 
【完成】
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組み上げたあと、茶系のウェザリングパウダーを軽くすり込み、番号デカールを貼ったあと、艶消しクリアを吹き、再度ウェザリングパウダーをすり込んで、完成としました。Oナローの蒸機としては自作、改造、キット製作を含め、33作目ということでこの番号になります。
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モールドの反りで多少の歪みや隙間がありますが、かなり使いこなされた機関車ということで、汚し気味にしてまとまりのあるものに仕上がりました。
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BVMのレールカーなどは結構くせのあるものが多いのですが、これはギアードロコ好きなら誰でもが受け入れられる優れたデザインだと思います。
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軽い車体が振動してか走行音はうるさめです。
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前台車の駆動連結軸をはずすことでなんとか225㎜半径のカーブを通過してくれます。
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まだDCCでは走らせていません。DC走行ですが、電圧に対してかなりのスロー走行です。
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BachmannのOn30機(左)とならべてみました。かなり小さいとはいえ、当鉄道としては大きな部類になります。ClimaxはまだほかにBackwoods Miniaturesのキットが控えています。


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屋根だけで1キロ超える駅舎キット Rocky Flats Station [O-scale structures]

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整理中のストラクチャーキットの続きです。今回はプラスターキットを取り上げますが、紹介だけということになってしまいます。
丸い石造りの塔がついた駅舎として知られているのがメインに存在した2ftゲージの鉄道、Sandy River & Rangeley Lakes RRの駅舎Marbles Stationです。なかなか味わい深い形態です。宮野忠晴さんはSn2の作品として、この駅舎を模したものをウォーブル駅として自作されています(ナローゲージブック2所収)。模型としてはこちらのフォーラム:
にキット化されたものが紹介されています。キットではトムヨークのRubbles Depotがコンパクトにデフォルメされて好きですが、入手する機会はありませんでした。そのうちDowntown Decoから原型に近い寄棟の駅舎がRocky Flats Stationの名のOスケールキットとして発売になりました。それを練馬の模型屋さんで偶然見つけることができ、手に入れました。
 
Downtown Decoはその名のとおり、都市型の建物のプラスターキットで知られています。このような田舎の駅舎というのも意外だなと思っていたのですが、説明書を見て事情がわかりました。それによると、これは同社のオーナーが設計し型取りしたものではなくて他のメーカーとの取引で扱ったもので、いままでのキットとは組立の手順が違うらしいのです。
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これがその中身です。プラスターモールドが中心のキットです。
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壁面はこんな形で組むことになります。
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屋根を載せてみました。
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屋根ですが、寄棟も丸い屋根も無垢のモールドで、ずっしりとした重さがあります。
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窓枠類はレジンモールドです。歪みを修整する必要があります。
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ハイライトはこの塔の部分です。深い彫りでいいですが、気泡が結構残っています。
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問題はこの屋根です。無垢のため、やたらに重く、目方を測ったら屋根だけで1.05kgありました!組み上げてしまうと横にすると屋根だけずれて落ちそうで、常設でない限り保管が難しそうです。方策としてはこの屋根を発泡スチロールのブロックで作り直し、ボール紙にshingle roof paperを貼って被せてはどうかと考えています。そこまでするのなら別にコンパクトなものをまるごと自作する手もあり、もう少し考えてみることでまた箱に眠ることとなりました。
 
ところでこの駅舎のプロトタイプは多少の改築はあるものの湖畔の貸別荘として残っているようです:


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