SSブログ

ウェールズ・ナローゲージ探訪(16)旅を終えて [railway visit]

旅を終えてのまとめと感想です.
***
【参考サイト】
ウェールズのナローゲージ鉄道を訪問するにあたって参考にしたサイトをあげておきます.まずウェールズ地方のナローゲージの広報活動であるGreat Little Trains of Walesの項目がwikiにあります.
ここからそれぞれの鉄道の詳細を調べておくことができます. 
こちらは加盟団体のサイトで全体の紹介冊子とそれぞれの鉄道のパンフレットをPDFで入手することができます.どの路線も夏場はほぼ休みなしで運行しているので計画が立てやすく助かりました.
こちらも関連サイトです.
加盟しているのは11路線で,すべて訪ねることを目標にしましたが12-1/4in(311㎜)ゲージのミニ鉄道Fairbourne Railwayには寄れませんでした.またSnowdon Mountain Railwayは悪天候のため乗車体験はできませんでした.
現地のローカル線Arriva Trains Wales と共同で“鉄道で旅しよう”というキャンペーンになっており,これに刺激されて計画したわけです.時刻表はPDFで取れますが,分冊になっているので見るのには苦労しました.ナローゲージの多くが鉄道線でつながっているわけではないのでバスを利用することになります.ローカル線も全域を網羅しているわけではないので,それを補完しているのが郊外バス網です
それ以外は地域のバスを利用しました.
***
【旅を終えて】
レンタカーを使えば宿の移動なしで回れそうな範囲に,たくさんの数の保存・観光鉄道があるのが驚きです,あちこちで古い蒸機が稼働していましたが,ゲージが同じというわけでもないので融通しあうのは限界があります.各路線で独自に整備しているわけですから人材の確保も大変だと思います.豊富な英国の産業遺産に紛れて,オーストリアやアメリカなどの海外からきた車輛が活躍しているのも面白いです.また復興といっても湖畔の3か所の鉄道のように標準軌の廃線跡を利用して新たに敷設されたところや,アプローチ改善のための路線が新設で延長された鉄道もあり,観光と保存活動をうまく結びつけています. 
この加盟路線以外にはCorris Railwayに寄りたかったのですが,週末だけの限定運行だったので断念しました.またウェールズから少し南下すればLynton & Barnstaple Railwayもあります.まだまだ訪れたいところがたくさんあります.
DSCF7207m.JPG DSCF7207
▲どこの売店でもたくさんの鉄道書が並べられていましたが,荷物になるので購入したものはわずかです.パンフレットと公式ガイドブックだけは揃えることにしました.左下にあるスレート博物館のガイドブックは英語版が品切れだったのでウェールズ語版を購入して写真を楽しんでいます.
DSCF7486m.JPG DSCF7486m
▲さてGreat Little Trains of Walesは割引になるカードがあるのでこれを事前に手に入れました.
DSCF7487m.JPG DSCF7487m
▲これがカードの記録です.加盟は11路線のはずですが,Fairbourne Railwayはリストにありません.はじめに訪れたSnowdon Mountain Railwayではこのカードが売られていませんでしたので入手したのはそのあとに訪れたLlanberisでした.もしはじめから持っていればSnowdonの欄も記載されたはずですが,結局悪天候による運休で払い戻しとなったのでこの空欄にも意味があるわけです.つまり貫徹で何かいただけるスタンプカードなら残念な結果ですが,これは割引カードなので来年の7月までに行けば適用可能なわけです(笑).最後のBrecon Mountain Railwayの受付で見せたところ,ほとんど回り切ったカードは初めて見たと驚かれました.
***
【模型のこと】
DSCF7092m.JPG DSCF7092
▲今回の買い物はほとんどありません.日本でも入手できるのですが,かさばらない線路関係のものを補充用に購入しただけです.そこでちょっと手持ちの英国ものを出してみました.
PB230012m.JPG  PB230012m
▲こちらはOナローの内燃機です(TMS697号,2002年6月号掲載).左上のKoppel RL1C(Nonneminstre Models)だけはドイツものですが,WHHRにありました.時計まわりにRuston & Hornsby 44/48HP (Wrightlines)
,Hudson-Hunslet 25HP (Nonneminstre Models),そしてSimplex 5ton (Wrightlines)です.同様の実物をみることができたので愛着が沸いてきます
PB230014m.JPG  PB230014m
▲同じ時期に製作した蒸機のメタルキット(こちらもTMS697号に掲載)は部品がとれて補修が必要です.現地で接したKerr Stuartの蒸機とDe Wintonの縦釜(いずれもWrightlines)です.
蒸機黎明期に活躍したDe Wintonですが,最初に訪問したCaernarfonに存在した会社(1854-1901)で,Welsh Highland Railwayの出発駅の前に建物が存在していたことを後から知り,確認しなかったのが残念です.
PB230016m.JPG  PB230016m
▲こちらはずっと作らずにおいてあったキットです.OナローのHunslet Alice Class (
Agenoria Models,いただきものです)は随所で活躍していたオープン機なのでそろそろ手をつけたいところです.手前はOO9のFletcher Jennings “Talyllyn”(Meridian Models)で適当な動力を探す必要があります.
ただし,模型趣味の観点からいえば,この際英国型にも力を入れたいというよりも,ナローゲージの形態は多様で千差万別であることを再確認できたことで,フリーランスのイメージがさらに膨らむ方向にあります.
***
以上でひとまず探訪記を終わります.連載にお付き合いいただき,ありがとうございました.


nice!(1)  コメント(0) 

ウェールズ・ナローゲージ探訪(15)ブレナヴォンの石炭博物館 [railway visit]

10日目(2017.7.29土)はブレナヴォンの石炭博物館を訪ねました. 


ウェールズ最後の二日間はCardiff(カーディフ)に泊まりました.予定していたナローゲージの訪問日程を終えたので10日目は産業遺跡を訪ねることにしました.カーディフは石炭の搬出で栄えた港町で,その山側に広がるブレコン・ビーコンズ国立公園の東端に位置するのが,Blaenavon(ブレナヴォン)の石炭鉱業の産業遺産で,世界遺産に登録されています.今回はその中心にあるBig Pit National Coal Museum(ビッグピット国立石炭博物館)を訪ねることにしました.まずCardiffからEbbw Vale Town行きのローカル線に乗り,バスの乗り継ぎで現地に向かいます.

 CardifRWnet.jpg

▲Cardiffを中心に鉄道網が充実しています.

IMG_0299m.PNG IMG_0299m

▲予備日程だったので前日慌てて行程を調べています.

DSCF7174m.JPGDSCF7174

▲Cardiff駅でEbbw Vale Town行きの列車が停まっています.この車両の下を覗くと2軸車のようです.反対側のホームとはアプローチが別のようなので台車を含めた写真に収めることはできませんでした.本線車輛は全くの知識不足,予習不足でした.

編成は2軸車2輌とボギー車2輌の4輌になっていて,せっかくなら2軸に乗ろうとドアがあくのを待っていたら車掌からボギー車の方に乗るように指示されました.どうやら土曜日の朝は乗客がほとんどいなくて非貫通なので2軸車の方は閉めた状態で走らせるようです.

DSC04803m.JPG DSC04803

▲Llanhilethで下車.そこからバスに乗り換えて終点のBrynmawr下車.さらにバスを乗り換えて目的地のBig Pit National Coal Museumに着きました.何やらホーンビーのカタログで見るようなBタンクが2輌見えます.

DSC04806m.JPGDSC04806

▲Andrew BarclayのNora No.5です.ナローの機関車ばかりみていると,標準機の機関車は腰高ですね.

DSC04808m.JPG DSC04808

▲こちらはHudswell Clarkeの機関車.コネクティングロッドはついていません.


DSC04805m.JPG DSC04805

▲入口に発券機がありましたが,有料なのは駐車場で Museumは入場無料です.

DSC04888m.JPGDSC04888

▲マインシャフトの櫓,手前は巻き上げ機の棟です.

DSC04818m.JPG DSC04818

▲坑道ツアーに参加しました.ここで手荷物を預け,ランプやヘルメットなどを装着します.左にあるのがシャフトのエレベータで地下におりますが,地下の撮影は禁止です.ここでは馬を使っていた時代の削掘方法や炭鉱労働者の過酷な生活環境が語られます.中学生ぐらいの社会見学の団体も多数訪れていました.

DSC04817m.JPG DSC04817

▲鉱車をひっくり返して積み荷を落とす回転式のダンパーです. 

DSC04827m.JPG DSC04827

▲鉱車が並んでいます.

DSC04834m.JPG DSC04834

▲マインヘッドの脇の通路にも鉱車が転がっています.

DSC04842m.JPG DSC04842

▲標準軌の古い貨車もあります.

DSC04845m.JPG DSC04845

▲構内用機関車と人車が展示されています.

DSC04846m.JPGDSC04846

▲鍛冶の設備です.

DSC04861m.JPG DSC04861

▲坑内の空調設備が丘の上にあります.この辺りにはほかにも炭鉱労働者に必要な食堂やシャワールームなどの設備が展示されていました.

DSC04864m.JPG  DSC04864

▲丘の上は設備の残骸が転がっています.大きな歯車を見つけました.

DSC04867m.JPG DSC04867

▲エレベータのかごがあります.

DSC04872m.JPGDSC04872

▲この錆びたタンクには水が貯められていました.

DSC04878m.JPG DSC04878

▲これは坑内用機関車の残骸のようです.

DSC04881m.JPG DSC04881

▲水槽のバランスにより鉱車を上下するマインシャフトが移設されていました.

DSC04882m.JPG DSC04882

▲火薬小屋付近からシャフトを見下ろします.

DSC04897m.JPG DSC04897

▲そして博物館の下には標準軌の鉄道駅Big Pit Haltが見えるのですが,今回はここの探索までは手がまわりませんでした.Pontypool and Blaenavon Railwayとして過去の路線の一部を活用した保存鉄道で2011年にこの駅までの路線が開通しています.


こうして最後の訪問を終え,バスを乗り継いでNewportに向かいました.予約したNewport 15:40発のロンドンパディントン行きのGreat Western Railwayの列車にのり,ロンドンに向かいました.この路線は先日日立製の車輛が導入されたことがニュースになっていました.

DSCF7194m.JPG

▲ロンドンパディントンに到着しました.翌日はヒースローから帰国の途につきました.


もう一回最後のまとめを載せて今回の旅のブログを終えることにいたします.



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:旅行

ウェールズ・ナローゲージ探訪(14)ボールドウィンが活躍するブレコン山岳鉄道 [railway visit]

9日目(2017.7.28金)は南ウェールズのCardiffからBrecon Mountain Railwayを訪ねました.いよいよ今回の旅で最後のナローゲージ訪問となります.
brecon.jpg  
▲路線図(www.bigtrainlittletrain.com観光案内より)
【Brecon Mountain Railway (ブレコン山岳鉄道 BMR), 603mmゲージ,路線距離 8.0km】
この鉄道は当初から世界中から車輛を集めて走らせる観光鉄道として企画されています.そして候補地としてBrecon Beacons(ブレコン・ビーコンズ)国立公園内の山麓が選ばれたのです.ここには1859年に開業し,1964年に廃線となった標準軌のBrecon and Merthyr Railwayの路線跡があり,その一部であるPantとTorpantauの間を再利用することで1978に着工されました.しかしすでに線路や橋脚などの鉄道設備の一部も撤去されていて再建は大変だったようです.そして1980年にPant からPontsticillまでを開業し,2014年に現在のTorpantauまでの運行となりました.
PantからTorpantauまでは片道25分,帰りはPontsticillで施設見学のため25分停車し,往復1時間半の行程になっています.当日は4往復で一編成の運用でした.
当日は朝から雨です.Cardiffからは多くの鉄道の支線が伸びています.そこでMerthyr Tydfil(マーサー・ティドビル)まで鉄道にのり,そこからバスを使うという計画だったのですが,ホテルをでてすぐのところにMerthyr Tydfil行きのバスが偶然にも停まっていたので,予定を変えてこれを利用し,その終点から別のバスを乗り継いで向かうことになりました.
DSC04733m.JPGDSC04733
▲バスを乗り継いで降りたのはPantの墓地の前.ここからすぐのようですがちょっと寂しげな情景です.
DSC04747m.JPG DSC04747
▲しばらく歩いてPant駅に到着.まもなくボールドウィンがやってきました.
DSC04750m.JPG DSC04750
▲これが出発駅の光景です.この日の運用は2号機, Baldwin 4-6-2,1930年製の47トン機.南アフリカで石灰石輸送に使われ1974年に暴走事故で廃車となっていたものを1990年に取得,1997年から運行されている典型的なアメリカ型です.
この観光鉄道の開業時から活躍したのはArnold Jung,1908年製の14トン機で,東ドイツからわたってきたものだそうですが,当日は車庫にしまわれていたようで見ることはできませんでした.現在は出力の関係でBaldwin機が運行の主体で,2号機のほかにブラジルで活躍した一両がレストア中,他にも図面をもとに復元予定のBaldwin機があるようです.
DSC04749m.JPG DSC04749
▲最後尾のカブースはアメリカメイン州の2ft鉄道Sandy River 1903年の図面に基づいて作られています.
DSC04754m.JPG DSC04754
▲出発駅から見た風景です.Taf Fechan川の貯水湖に沿って走ります.
DSC04758m.JPG DSC04758
DSC04760m.JPG DSC04760
▲終点のTorpantau駅です.天候が悪いので付近の散策はしませんでした.
DSC04769m.JPG DSC04769
▲折り返しのため,付け替えが完了しました.
DSC04774m.JPG DSC04774
DSC04778m.JPGDSC04778
▲そして帰路Pontsticillでしばらく停車します.Taf Fechan川の貯水湖が見えています.
DSC04771m.JPG DSC04771
▲Pontsticillには古典蒸機の博物館があり,その前庭には蒸気エンジンが置かれていました.
DSC04781m.JPG DSC04781
▲博物館の中に入ります.Hunslet 1903年製 Sybil.
DSC04782m.JPG DSC04782
▲De Winton1894年製のヴァーティカル・ボイラーPendyffrynです.
DSC04784m.JPGDSC04784 
▲もう一機の小さなヴァーティカル・ボイラーはRedstoneという人が1905年に個人製作したというもの.模型的でいいですね.
DSC04790m.JPG DSC04790
▲運用中のボールドウィンの銘板です.
DSC04791m.JPGDSC04791
▲なじみのあるスタイルです.ウェールズで米国型蒸機が拝見できるとは予想外でした.
DSCF7160m.JPG DSCF7160
▲デッキにはカメラを構える人が数人見受けられます.
DSCF7162m.JPG DSCF7162
▲湖畔を走る鉄道はスランベリス,ベラに続いて三つ目でしたが,スランベリス同様,天候に恵まれませんでした.
DSC04745m.JPG DSC04745
▲Pantに戻りした.駅に隣接して修理工場があります.
DSC04742m.JPG DSC04742
▲これが工場内です.ボールドウィン機のレストアが行われているのがわかります.シリンダーヘッドやキャブ,ボイラーが個別に並べられていてまるで組み立て中の模型のようです.手前の工作機械類も壮観です.
DSCF7167m.JPG DSCF7167
▲帰りはバスでMerthyr Tydfil(マーサー・ティドビル)まで出るとローカル線の終端駅があり,気動車が待っていました.
ちなみにこの町はトレビシック(Richard Trevithick)が世界で初めての蒸気機関車を走らせたところのようです.
そしてCardiffに戻りました.旅も終わりに近づいてきました.これで予定していたナローゲージの訪問は終わりました.ほぼ予定通りに旅はこなせたので明日の予備日は炭鉱博物館に行きます.


nice!(0)  コメント(0) 

ウェールズ・ナローゲージ探訪(13)ウェルシュプールへ ニブロクの軽便鉄道 [railway visit]

現地8日目(2017.7.27木)はCambria線でAberystwythを出発,Welshpoolに立ち寄ってから南ウェールズのCardiffまで移動します.
Welshpool では2ft6in (ニブロク)ゲージのWelshpool & Llanfair Light Railway (W&LLR) を訪ねました.
welshpool.jpg 
(www.bigtrainlittletrain.com観光案内より)
【Welshpool & Llanfair Light Railway (ウェルシュプール・ランヴァイル軽便鉄道 W&LLR), 762mmゲージ,路線距離 13.7km】
今回の訪問で唯一の2ft6in (ニブロク)ゲージの鉄道です.日本ではナローゲージの標準のような規格ですが,こちらでは珍しいようです.1903年の開業で,Cambrian Railwayが運営していました.Great Western Railwayに吸収された後1931年に旅客輸送が廃止され,1948年の国有化後の1956年に貨物輸送の廃止で一旦廃線となります.ボランティアによる復興事業は1963年から開始され,1981年から現在に至るまでRaven Square(レイヴンスクエア)からLlanfair Caereinion(ランヴァイル・カイレイニオン)間で観光鉄道として運行されています.元々はWelshpool駅始発でしたが,市街地の狭い建物の間を通り抜けるためRaven Square(レイヴンスクエア)までの区間は復興されていません.片道所用時間は45分,当日は蒸機5往復,始発と最終便がディーゼル機の運用で,折り返し1時間の休憩をはさむと往復の所用時間は2時間半です.
Cambria線のWelshpoolから少し離れたW&LLRの始発駅Raven Squareまで,小雨が降る中スーツケースを転がして歩くことになりました.
DSC04573m.JPG DSC04573
▲Welshpoolの駅から市街地をすこし歩くと運河を渡ります.Powysland Museumという郷土史博物館の建物が見えます.この先にはPowis Castle(ポウィス城)という天空の城ラピタのモデルとなったとされる城があります.普通の観光旅行ならまずそこを訪ねるべきでしょうね(笑).
DSC04576m.JPG DSC04576
街並みが続きますが,W&LLRの始発駅まではまだ先のようでgoogle mapが手掛かりです.
DSC04581m.JPG DSC04581
▲そしてRaven Square駅に到着.列車がやってきました.
DSC04586m.JPG DSC04586
▲給水中の蒸機は1号機(822),The Earl.Beyer Peacock 1902年製.創業時からの現役で2001年に修復を受けている伝統ある機関車です,もう1機,同型の2号機(823)があります.
DSC04589m.JPG DSC04589
▲2in6ftゲージの客車の確保には苦労しているようです.これはオーストリアのZillertalbahn(チラタール鉄道)の2軸客車です.しかもオリジナルの表記のまま使われています. 
DSC04590m.JPG DSC04590
▲そしてハンガリー鉄道から来た客車もあります.ゲージが合えば既製品を自由につなげて走らせる模型のようです(笑).
DSC04592m.JPGDSC04592
▲ヨーロッパ大陸の客車を引っ張るThe Earlの編成,いよいよ出発です.
DSC04600m.JPG DSC04600
▲のどかな風景の中のニブロク線路
DSC04610m.JPG DSC04610
▲途中の列車交換,蒸機は12号機Joan,Kerr Stuart 1927年製.西インド諸島のアンティグアのサトウキビ農場で使われていたものを修復しています.
DSC04614m.JPGDSC04614
▲石の橋脚にのった鉄橋を横断中.
DSC04623m.JPGDSC04623
▲そして終点Llanfair Caereinion(ランヴァイル・カイレイニオン)に近づきました.
DSC04633m.JPG DSC04633
▲終点です.折り返しまで1時間あります.ヤードや工場の立ち入り許可をもらい,案内してもらいました.
DSC04639m.JPG DSC04639
▲ロッド伝動の11号Ferret.Hunslet 1940年製で元は坑内用.
DSC04647m.JPG DSC04647
▲その後ろ姿.Great Westernの緑色に塗られています.
DSC04640m.JPGDSC04640
▲17号機はドイツDIEMA 1979年製で台湾の製糖工場で活躍ののち2004年に導入されています.
DSC04649m.JPGDSC04649
▲ロッド伝動の7号機ChattendenはBaguley1949年製.
DSC04652m.JPGDSC04652
▲当日活躍中1号機(822)と同型の2号機(823)The Countessが車庫にいました.緑色の塗色です.
DSC04659m.JPG DSC04659
▲信号所の風景です
DSC04679m.JPGDSC04679
▲戻りは機関車のすぐ後ろに席をとりました.
DSC04685m.JPG DSC04685
▲帰路,再び12号機Joanの編成と交換.オーストリア製の客車はSalzkammergut Lokalbahnから来たようです.
起点のWelshpool (Raven Square)に戻ると見学用の車庫がありました.
DSC04720m.JPGDSC04720
DSC04705m.JPG DSC04705
▲8号機 Dougal.Andrew Barclay 1946年製.1969年にやってきたそうですが,2014年まで稼働し,その後ボイラー修復のため保管中.
DSC04706m.JPG DSC04706
DSC04713m.JPG DSC04713
▲6号機Monarch.Bagnall 1953年製の複合型蒸機で英国での産業用としては最後につくられた蒸機とのことです.製紙工場で使われたのち1966年にやってきたようですが,一度Ffestiniog Railwayに移ったものの改軌されないまま展示用として買い戻されたという経緯があります.化粧直しをして静態展示中です.
DSC04722m.JPG DSC04722
▲再び出発するThe Earlの編成.
蒸機はオリジナル,しかし客車はヨーロッパ大陸モノをそのままの塗色で使うというまるで模型のような編成を楽しむことができました.何回往復しても自由と言われたのですが,時間の都合で2時半には本線駅に戻りました.本線駅までの廃線跡散歩のパンフレットが用意されていたのですが,スーツケースを転がしながらでは無理なのであきらめました.この日はWelshpoolから一度ウェールズを離れてShrewsburyに行き,そこで乗り換えて南ウェールズのCardiff(カーディフ)に向かいました.Cardiffには5時半ごろ到着,そこで2泊します.


nice!(0)  コメント(0) 

ウェールズ・ナローゲージ探訪(12)アベリストウィス [railway visit]

cambrian_2.jpg 
▲Aberystwythへ至る路線(www.bigtrainlittletrain.com観光案内より)
前回述べたVale of Rheidol Railwayの起点になっているAberystwyth(アベリストウィス)は海岸沿いの保養地です.町は地方行政の中心地で大学も知られていますが,鉄道でのアプローチは意外と不便でした.Cambrian線の支線の終点にあり,北ウェールズの海岸線にそって南下するCambrian線は入り組んだ潟に沿って内陸に向かい,Aberystwythへの支線はDovey Junctionで分岐しています.
DSCF7124m.JPG DSCF7124
▲Dovey Junctionのプラットフォームで右手前方向にAberystwythへの支線が伸びています.
ただし,この駅は無人駅で時間帯によっては通過します.
DSC04393m.JPG DSC04393
▲一駅内陸側にあるMachynlleth(マッキンレー)が運行上の乗り換え駅になります.夕方の時間帯でも1時間に一本の接続しかありません.
DSCF7117m.JPG DSCF7117
▲Aberystwythでは海岸沿いにゲストハウスが並んでいます.その一棟に泊まりました.
DSCF7115m.JPG DSCF7115
▲犬OKのパブで,オーストラリアンシェパードです.主人がワインと料理を楽しんでいる間おとなしくしていました. 
DSC04531m.JPG DSC04531
▲町にある城址公園.クボタの車輛が園内を整備しています.
DSC04541m.JPG DSC04541
▲城址公園の一角.町が見渡せます.
DSC04542m.JPG DSC04542
▲丘にあがるケーブルカーが町の向こう側に見えます.
DSC04546m.JPG DSC04546
▲ケーブルカーAberystwyth Cliff Railwayの乗り場があります.
DSC04564m.JPG DSC04564
▲Aberystwyth Cliff Railwayは1896年の開業.当初は水槽バランス方式で1921年に電化.
DSC04557m.JPG DSC04557
▲ゲージは標準軌(1435mm)で,全長237m,近年まで英国最長だったそうです.
DSC04549m.JPG DSC04549
▲上はConstitution Hillという公園になっています.ここから町が一望できます.
翌日は南ウェールズのCardiff(カーディフ)まで移動します.


nice!(0)  コメント(0) 

ウェールズ・ナローゲージ探訪(11)レイドール渓谷鉄道 [railway visit]

現地7日目(2017.7.26水)は宿泊しているAberystwyth(アベリストウィス)の駅から伸びているVale of Rheidol Railwayにのりました. 
【Vale of Rheidol Railway (レイドール渓谷鉄道 VoRR), 603mmゲージ,路線距離 18.9km】
rheidol.jpg 
▲VoRR路線図(www.bigtrainlittletrain.com観光案内より)
Vale of Rheidol Railway (VoRR)は鉛鉱石などの貨物輸送のために計画されながら,1902年に開業したときは既に産業は斜陽でただちに観光鉄道としての運行が開始されました.その後幹線を担うCambrian Railway,そしてGreat Western Railwayの経営となり,大戦後は国有化されたのち, 1989年に独立しています.その間運行休止期間のなかった鉄道です.ゲージは変則的な1ft11-3/4in=603mmで,AberystwythからDevil’s Bridgeまでを1時間かけて走行する観光鉄道です.谷あいを見下ろす風景の中を走るのが特徴ですが,日本と違って途中トンネルが一つもない穏やかな地形です.
前日Talyllyn鉄道のあるTywynからAberystwythに戻った際にVoRRのホームを見にいきました.
DSC04398m.JPG DSC04398
▲これが火を落として停泊中の蒸機です.Great Western Railway 1924年製の愛称Prince of Wales,9号機らしいですが製造番号である1213の札がついています.Great Western Railway時代の緑色の車体に黄色い文字が書かれています.キャブが張り出していてかなり大きな印象です.
DSC04407m.JPG DSC04407
▲もう一機の編成が戻ってきました.同じ機種で愛称はLlywelyn,8号機です.VoRRには3台の蒸機がいるようで,残る一台も同じ形らしいです.
DSC04399m.JPG DSC04399
▲このディーゼル機関車10号機は火をおとした蒸機を車庫に押し込むために待機しています.Baguley-Drewry 1987年製
DSC04413m.JPG DSC04413
▲一日の仕事を終え,車庫に格納されます.国有化されていただけあってCambrian Lineと共用する駅は広くて車庫は遠くに見えます.広くて整然としていると一般の鉄道設備と同じで,見学させてほしいとは頼めない雰囲気ですね.
DSC04420m.JPG DSC04420
▲そして翌日,乗車のために駅に向かうとあいにくの天候.それでもホームに乗客が集まってきます.9号機(1213)がけん引するようです.
DSC04424m.JPG DSC04424
▲出発後すれ違ったモダンな保線車は1985年製のサンダーバード4号!
DSC04505m.JPG DSC04505
▲帰りにすれ違ったときは向きが逆.上体だけで180度回転するそうです.犬も乗っています.
DSC04437m.JPG DSC04437
▲このような谷あいを見下ろす風景が続きます.
DSC04444m.JPG DSC04444
▲終点のDevil’s Bridgeに到着.散策コースがありますが,雨が結構降っているので構内でゆっくりします.
DSC04455m.JPG DSC04455
DSC04446m.JPG DSC04446
▲終点では側線の短い区間を使って運転席での乗車体験ができるコーナーがあり,小さな機関車が動いていました.
DSC04449m.JPG DSC04449
▲活躍していたのはこのHunslet1894年製のMargaret.オープンタイプです.以前はKerr Stuart製のWrenという機種が使われていましたが.この機種に代わってはるかに扱いやすくなったとのことでした.
DSC04464m.JPG DSC04464
▲体験線ではお客さんを載せて短い区間ですが,往復していました.1/1のライブスチームですね.
DSC04468m.JPG DSC04468
▲1時間の滞在で列車は戻ります.
DSC04482m.JPG DSC04482
▲客車は1930年代にGreat Westernの工場でつくられたもので統一感があります.
DSC04496m.JPG DSC04496
▲8号機の編成と交換です.
DSC04498m.JPG DSC04498
▲オープン客車の車内.
DSC04516m.JPG DSC04516
▲Aberystwithに帰ってきました.
DSC04514m.JPG DSC04514
▲向こう側のホームにはCambrian Lineのディーゼルカーが止まっています.Cambrian Lineの支線になりますが,ここが終点でこれより南の海岸線には鉄道がありません.
DSC04522m.JPG DSC04522
▲再び出発していきました.
お宝車輛も眠っていそうですが,公開はしていないようです.本線なみのスケール感があり,乗って楽しむ鉄道であり,走行風景を撮るのによいところだと感じました.また,売店は書籍や模型が充実していました.午後はAberystwythの町を散策しました.

nice!(0)  コメント(0) 

ウェールズ・ナローゲージ探訪(10)タリスリン鉄道その2 [railway visit]

出発点のTywyn Wharfに戻りました.順にやってくる蒸機を見ることにします.
DSC04326m.JPGDSC04326
▲1号機Talyllyn. Fletcher Jennings 1864年製.改装されて1958年から修復を重ねながら現役です.
DSC04341m.JPGDSC04341
DSC04294m.JPG DSC04294
▲1号機Talyllynは絵本ではScarloeyです. 特徴的な屋根は模型でもおなじみです.
DSC04336m.JPG DSC04336
▲手前にはヴィンテージカーのMorganの3輪がとめられています.
DSC04390m.JPG DSC04390
▲6号機Douglas.Andrew Barclay 1918年製
DSC04376m.JPG DSC04376
DSC04388m.JPG DSC04388
▲6号機Douglasは絵本ではDuncanです.日本に数多く入ってきたコッペルに似ているためか親しむやすい形です, 
DSC04348m.JPG DSC04348
▲7号機Tom Rolt.Barclay 1948年製
DSC04352m.JPG DSC04352
▲7号機Tom Roltは一番新しい仲間です.3ft機でしたが.1969年に購入され,改装が完了したのは1991年.名前は本鉄道の復興に貢献した人物に因んでつけられています.
DSC04382m.JPG DSC04382
▲出発する7号機Tom Roltの編成
さて,駅にはNarrow Gauge Railway Museumが併設されています.所狭しと歴史的な機関車が収められています.その一部です.
DSC04311m.JPG DSC04311
▲これはギネスビールの工場で活躍した1895年製の機関車
DSC04313m.JPG DSC04313
▲こちらはBeyer Peacock 1887年製の18inゲージの小さな機関車.
DSC04304m.JPG DSC04304
▲初期の鉱山で数多く活躍したDe Winton1877年製のヴァーティカルボイラー.
DSC04297m.JPG DSC04297
▲そして現在復元基金を募集しているFletcher Jennings 1880年製のWilliam Finlayです.元は3ft21/4inという特殊なゲージです.
DSCF7129m.JPG DSCF7129
結局丸一日滞在しました.あとから設備を利用してつくられた観光鉄道と異なり,ここは開業以来継続してきたナローゲージ鉄道です.すべての設備がこぢんまりとまとまっていて,ボランティアの方々も往時の雰囲気を盛り立てて活動しており,ゆっくりとした時間を楽しむことができました.
夕方Tywynからカンブリア線に乗って2泊目となるAberystwythに戻りました.


nice!(0)  コメント(0) 

ウェールズ・ナローゲージ探訪(9)タリスリン鉄道その1 [railway visit]

現地6日目(2017.7.25火)は宿泊先であるAberystwyth(アベリストウィス)からカンブリア線でTywyn(タウィン)に向かい,Talyllyn (タリスリン) Railwayを訪ねました. 

【Talyllyn Railway (タリスリン鉄道 TR), 686mmゲージ,路線距離 11.7km】

talyllyn.jpg

Talyllyn Railway(TR)は1865年にスレート石の運搬のために開業するとともに当初から旅客輸送も担ってきました.1950年にはほとんど廃業状態となりつつも殆ど途切れることなく翌年の1951年には復興保存活動が始まっており,世界最古の保存鉄道と言われています.機関車トーマスの原作者であるWilbert Awdryはここでボランティアをしていた経験から,この鉄道を舞台にした作品が多数あり,多くの機関車が作品の中に登場することでも知られています.

現在は始点のTywynからNant Gwernolまでを55分かけて走行します.訪れた夏場のシーズンは一日7往復しており近隣の保存鉄道の中でも本数が突出しています.ゲージは,他では珍しい2ft3in=686mmです.これは英国のナローゲージ鉄道模型のスタンダード009(1/76 9mm)には理想のゲージといえます.

さて当日は10:30の始発にのり,終点で折り返した後,帰路Pendreで降ろしてもらい,車庫周辺を見学してから戻ると行程です. 

DSC04159m.JPG DSC04159

▲カンブリア線のTywyn(タウィン)の駅を降りるとまわりは住宅地でしたが,少し歩くとTRのTywyn  Wharf駅が見えてきました.

DSC04177m.JPG DSC04177

▲出発まで時間があったので,許可をもらって駅構内をみて回りました.左に見えるのはカンブリア線です.

DSC04203m.JPG DSC04203

▲そしてやってきたのはお面をつけたPeter Samでした.

DSC04290m.JPG DSC04290

▲出発駅の前にある陸橋のクリアランスはかなり狭く模型的です.

DSC04193m.JPG DSC04193

▲この4号機Peter Samは機関車トーマスの一連の作品に登場する機関車の名前です.1921年Kerr Stuart製のTattooクラスという形式で,Corris Railwayに納入されたあと,1951年に引き取られ修復されたもので正式名はEdward Thomasです.


DSC04195m.JPGDSC04195

▲客車の編成

DSC04189m.JPG DSC04189

▲そろそろ出発です.

DSC04216m.JPGDSC04216

▲沿線ののどかな風景です.

DSC04217m.JPG DSC04217

DSC04229m.JPG DSC04229

▲終点のNant Gwernolです.この先には散策コースがありますが,折り返します.

DSC04235m.JPG DSC04235

▲帰路はAbergynolwynで30分ほど休憩となります.売店などの設備がある駅です.ここで機関士たちも食事をしています.

DSC04237m.JPG DSC04237

▲Abergynolwyn駅で休憩中.

DSC04242m.JPG DSC04242

▲Quarry Sidingで列車交換です.やってきたのは1号機Talyllynの編成です.

DSC04247m.JPG DSC04247

DSC04249m.JPG DSC04249

▲Brynglasで再び列車交換です.やってきたのは6号機Tom Roltの編成です.

DSC04255m.JPG DSC04255

▲そして車庫のあるPendreで降ろしてもらいました.

DSC04257m.JPG DSC04257

▲1940年Ruston Hornsby製の”Midlander”が側線にいました.

DSC04266m.JPG DSC04266

▲その後ろの”Alf”はHunslet製で元は坑内用のロッド式.

DSC04271m.JPG DSC04271

▲石造りの車庫です.

DSC04275m.JPGDSC04275

▲少し歩いて陸橋から6号機Douglasの編成を撮りました

DSC04278m.JPGDSC04278

▲駅の前には2台の古いランドローバーが.その中の1台です.

DSC04286m.JPG DSC04286

▲列車通行時.駅前の道路はゲートで閉鎖されます.1号機Talyllynの編成がやってきましたので,これにのって始発駅に戻ることにしました.(続く)


nice!(0)  コメント(0)