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O-16.5mm (On30, O16.5) ブログトップ
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ビューイックのレールカー Buick Railcars [O-16.5mm (On30, O16.5)]

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Bachmann On30 Rail Truck をレールカーに改造した作品2題(2013年作)です。
 
【バックマンのレールトラックを客室のあるレールカーに】
バックマンOn30のレールトラックは、Rio Grande Southernが自動車を改造してつくった独特の形からGalloping gooseと名付けられたレールカーのひとつで、コロラドのリッジウェイ鉄道博物館にレプリカが保存されています。
一連のグース類の中では小型で小カーブにも対応できるのがうれしいです。模型のモーターはエンジンルームに入っており、後輪を小さなプラのべベルギアを介してシャフトドライブする、実物を模した凝った構造になっており、DCCが装着されています。
荷台を客室にしたレールカーに改造してみようと構想を練っていましたが、2013年の軽便鉄道模型祭でクリッターズクラブがレールカーを特集することになり、出展に向けて着手しました。
優雅なラジエーターグリルは1925年のBuick Master Sixのものです。これにちなんでビューイックのレールカーと呼ぶことにします。2台のストックがありましたので、それぞれ異なるスタイルに仕上げることになりました。
 
【北米風、緑のレールカー24号】
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ヒントにしたのはSilverton Northernの救急用レールカーCasey Jonesで、モデルでも知られていますが、そのくせのある形をかなり抑えめにアレンジしたものです。
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客室の切り抜き用図面は下回りに定規をあてながら直接方眼紙に書き、もう一台と同時にタミヤプラ板から切りだしました。
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まずダイキャストの荷台の両側を切り落として幅37㎜とし、荷台が車体側面の中に入るようにしました。車体には1㎜厚のエヴァグリーンの2㎜筋目板を使っています。2㎜といってもインチ基準なので、少し伸びていて1㎜方眼紙には合いません。現物対応です。車体幅は41㎜です。タミヤから5㎜のL型プラ材が発売されましたのでそれを車体の内側にとりつけ、荷台とねじで固定しています。側面のドアは折戸とし、しっかりしまっていない状態にしています。
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屋根も同じ素材で、筋目を内側にして曲げ癖をつけた上で補強桟をいれ、瞬間接着剤を筋目にながして固着しています。運転席側の屋根部分も同様につくって、裏側で補強しながらつなぎ合わせました。屋根はスエード調缶塗料で仕上げました。
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開閉可能なエンジンフードはそのまま使いましたが、ノーズが長すぎるので、フードと客室の間はプラ板を重ねて2㎜ぐらいに縮めました。
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緑色に塗装しました。
 
【南米風、青いレールカー25号】
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ブラジルにあった鉱山の人員輸送用車両の廃車体で、エンジンが外されて、朽ち果てた状態の写真をWebで見つけました。このイメージをヒントに第2作をつくりました。
作りかたは基本的に同じですが、こちらは荷台をそのまま使っています。つまり下回りは車体を固定するためのねじ孔以外何も加工していません。客室は荷台にのっかるかたちです。前方はドア部分で車体幅を絞っています。
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プラ車体は表面が0.5㎜厚、内側は一部の窓枠を兼ねた0.3厚で、エヴァグリーンの細い線材を表面の接合部分に使っています。屋根は40㎜幅の木製屋根板を使って整形しました。
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客室内側にはタミヤ3㎜Lプラ材をとりつけ、荷台にそのまま載せてねじで固定しています。
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車体は青色、屋根はストーン調スプレーを吹きました。
 
【ワンオフ・レールカーの面白さ】
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製作した2輌は元ネタのバックマンのエンジンまわりと下まわりが精密にできており、そのおかげでかなり引き締まったものになりました。しかし、久しぶりに取り出してみたところ緑の24号はギアがスリップしているようで走行しません。動力の分解点検が必要なようです。
 
日本でも根室拓殖軌道の銀龍号をはじめとして、現場調達の一台限りのレールカーが存在します。手元には安いHOプラ製品の2軸トロリーが数量あるので、こちらは日本風のフリーランスレールカーとしてまとめていきたいと思っています。 
  


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スーツケース可搬レイアウトの雑誌掲載と、 “木尾根坂線”命名の由来 [O-16.5mm (On30, O16.5)]

この分解収納型レイアウトは新しい作品ではないのですが、雑誌に掲載されたこと、名称が決まったこと、コロナ肺炎対策で中止となった池袋鉄道模型芸術祭に出展する予定だったこと、などで少し書きとどめておくことにしました。
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これは2018年のJAMコンベンションに出展した時の写真で、製作工程の最後はこちらに記載しています;
https://karatcreek.blog.ss-blog.jp/2018-04-23 ”新たな土地?に小屋が三つ建ちました”)
このレイアウトが掲載された雑誌はフランスのナロー誌Voie Libre(ヴォア・リブル)です。100号記念で世界中から記事を集めたいとのことで依頼がきました。投稿の内容についての指示はなかったので2,3の作品紹介を送ったところ、このレイアウトをとりあげたいとの返事をすぐにもらいました。スーツケースに収めて交通機関で運べるということに関心を持ってもらったようです。
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これがその雑誌の表紙でフランス語版と英語版があります。季刊でサイトはこちらになります:
雑誌のコンセプトは”The magazine of railway creators”となっていて、工作一辺倒というよりも鉄道の世界を創ることに重点を置いた全頁カラーの明るい雰囲気の雑誌です。あまり手にする機会がないかもしれませんが、日本の製品も紹介されています。ぜひご覧になってください。サイトから注文することができます。
このレイアウトの記事は4ページで掲載されました。表紙右上にも写真がでています。一連のパネル組み合わせレイアウトですが、どこでけじめをつけるかで伸ばし伸ばしになっていて雑誌への投稿もしばらくしていなかったのですが、意外にも海外誌からのお声がけで良いけじめとなりました。少し写真を並べてみます。
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左側のパネルで川があるため表を下にしている。
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中央のパネルです。
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右側のパネル部分です。
自分でも混乱するぐらいパネルがあり、随時ストラクチャーを置いて情景をつくるものは“奥岳(おくだけ)線”、箱組で収納するものは”向が原(むかいがはら)線“と名付けてあるのですが、この分解収納のセットには名前がありませんでした。この機会に木尾根坂(きおねさか)線と名付けました。尾根も坂も見当たらないのですが、逆さ読みしてください。パネルの重ね置き(かさねおき)となります。
 
2020年3月21-22日に開催が予定されていた池袋鉄道模型芸術祭はコロナウイルス対策として開催が中止となりました。その代わりというか、桜が早く開花し、近くの公園は大賑わいでした。
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このレイアウトは雑誌掲載を機会に今回の模型芸術祭にも持ち込む予定でした。
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出展のためメンテをしてしばらく走行を楽しみましたが、再び収納(重ね置き!)となりました。
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木曽の運材台車とカブース,ついでに各種ボルスター台車 [O-16.5mm (On30, O16.5)]

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木曽森林鉄道の鋼製運材台車とカブースの編成をようやく仕上げました.
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2台一組の運材台車は中西工房(珊瑚)のキットで,ロストワックス主体のディテール豊かなモデルです.
木曽のカブースはオレンジカンパニーのキットで,こちらも下回りはロストワックスです.組み立てた後ずっとそのままになっていました.
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トビカのトップガードスプレーで下地処理しました.
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運材台車はそのままウェザリングを施して完成です.
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カブースは水性ホビーカラーのワインレッド(マルーン)を吹きました.黒の下地のため暗めの仕上がりになりました.
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ドアがスライドする構造になっているので,半開きにしました.
一枚ずつ窓ガラスをはめて完成です.
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運材台車とカブースの編成です,
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木は天然を探すほうが良いかもしれませんが,手持ちのBachmannのOn30ログカーに付属していたものを載せてみました.木材の長さは96㎜ほどで連結棒を使ってちょうど良い長さです.
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材木のことですが,右がBachmannのものでレジンに塗装が施してあります.左はKadeeのプラキット(HO)で長さは12㎝程です,
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Kadeeの木は右のようなプラキットですが,塗装(左)で実感的になります.
 
ついでながらKadeeの運材台車を並べてみました.
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左の2台がKadee HOの運材台車で,そのままOナローとして使っても違和感はありません.
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Kadeeの木には孔が空いていてそのまま台車のピンに差し込んで固定できます.
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ボルスター(架台)は自由に回転するので半径150㎜のカーブを難なく通過します
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これに対しBachmannのボギー台車は回転が制限されていて急カーブには対応できません.
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左の2台はPECOのBolster Wagonのメタルキットで,架台は元々回転しない構造です.スレート鉱山で使われていたもので材木の輸送用ではないようです.大きな車輪で腰高なのでそのままナックルカプラーが取り付けられます. 
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旧作の自作ボルスターワゴン(手前)と並べてみました.
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紹介したボルスター台車をならべてみました.形は多様ですが当鉄道では主に倒木の回収に活躍してもらう予定です.


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木曽酒井モーターカー "Hot Fridge" [O-16.5mm (On30, O16.5)]

大晦日の工作で,2020年年明け早々の記事となりました.本年もよろしくお願いいたします。
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アルモデルのキットを組んでみました.
木曽森林鉄道で活躍した酒井のモーターカーは簡素なペーパーモデルを紹介したことがあります.
四角い箱型のボディーから”冷蔵庫”の愛称でも親しまれています.アルモデルからO-16.5㎜とHO-9㎜で製品化されたのでOナローのほうを組み立てました.ただしペーパーモデルとは異なり,独自のカスタムペイントで楽しんでみることにしました.
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LEDヘッドライトを埋め込み,ペイントデコレーションとしてホットロッドのプラモデルからデカールを拝借しました.
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車体はホワイトメタルの一体型で,アクリルの窓ガラスと窓枠は外からはめる構造になっています.動力は同社が出している一軸駆動セットを利用したもので,大きな扁平モーターを使っているので低速で安定走行します.
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唯一の改造として3㎜径のLEDを使って点灯させることにしました.ヘッドライト枠をくり抜くのに苦労しました.
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左下がLEDユニットで車体にはめ込み,線がモーター側と接触するようにしています.
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塗装はトビカの黒染めスプレー缶トップガードによる吹き付けです.下回りやラジエターグリルは赤でアクセントを付けました.ところでラジエターグリルはダットサン110の流用ですよね.
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やってみたかったのがホットロッドに使われる焔のペインティングです.1/25のホットロッドキットから選んで貼りました.
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外からはめる窓ガラスと窓枠は木工用のグルーで接着してみました.
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名付けて“熱い冷蔵庫(Hot Fridge)”です.
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日頃プラ車体ばかりいじっているので,ずっしりとした重さを感じます.
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点灯走行中の姿です.
およそ木曽の車輛とはいいがたい仕様ですが,この際なので長らく未塗装で放置されていた運材台車と木曽のカブースのキットを仕上げてしまう予定です.


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プラパワー動力の内燃機(4)緑色の機関車”Randosel” [O-16.5mm (On30, O16.5)]

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PlaPower動力の内燃機5作の最後にご紹介するのが手前左の緑の機関車です.
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形として次はセンターキャブを考えみましたが,後ろの機械室は小さなものになってしまいました.
ランドセルを背負ったような形なので愛称にしました.
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箱型に比べて設計・組立は多少複雑になります.
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以前につくってあった下回りにはめ込んで仕上がりをチェック.
下回りはこちら(https://karatcreek.blog.ss-blog.jp/2018-08-13)の青い機関車と同じで軸距は24.5㎜です.
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機械室横の網にはハセガワのメッシュ板をつかいました.運転室の手すりは前作を含めてホッチキスの針を使っています. 
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塗色は水性ホビーカラーのデイトナグリーンです.
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プラ車輛の悩みどころは重さが足りないことです.キャブ側面に鉛板を重ねて貼ってみました.機械室の裏側にも小さなブロックを入れています. LEDライトの取り付け位置が前後で異なるので,ダイオード類の配線をモーター側に半田付けし,LEDの端子が車体の取り付け時に配線と接触するようにしていますが,注意してはめないと接触がうまくいきません.
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完成です.塗装に少しむらがあったのでウェザリングでごまかしました.
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正面からの姿です
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こうしてPlapower動力の試作をつくってから約7年目にして機関車が揃いました.すべて自作という方針だったので市販パーツは利用しないとの原則でまとめました.走行音が少しやかましいですが,低速での走行は安定しています.


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プラパワー動力の内燃機(3)銀色の箱型機関車 [O-16.5mm (On30, O16.5)]

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右側の巡察車に続いて次は真ん中の箱型機関車の製作についてです.
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既に用意してある軸距20㎜の下回りに被せるボディとして箱型の内燃機を設計してみました.
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いつものとおり,図面を貼り付けてのプラ板ケガキ作業です.
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ウェザリングパウダーをすり込んで見やすくしています.
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まず窓をカッターナイフで切抜き,Rの部分はやすりで仕上げました.
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屋根は回り込んでいるので,側面にかかる部分をはじめに接着しておいて,上部をはめてからサンドペーパで境目を整えます.
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車体が組みあがりました.妻板は片側にラジエターがあります.
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ラジエター網はハセガワのメッシュパーツです.前作の巡察車同様ライトは3㎜径LEDをそのまま使います.ライト枠はちょっと大雑把な5㎜プラパイプですが,ちょうど収まります.
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用意してある下回りにはめ込んで仕上がりをチェック.
下回りはこちら(https://karatcreek.blog.ss-blog.jp/2018-08-13)の黄色い機関車と同じです.
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窓枠は塗色を変えるために内側の板から切り抜いておきました.
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Mr. Colorのフィニッシングサーフェサー1500をスプレーしてから水性ホビーカラーのシルバーをエアブラシしました.下回りはワインレッド,窓枠はオレンジイエローです.
 
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銀色の車体にリベットが映え,窓枠の黄色も良いアクセントになりました.
走りはというと相変わらず音がうるさいです.

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プラパワー動力の内燃機(2)赤い巡察車 [O-16.5mm (On30, O16.5)]

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自作動力プラパワー(https://karatcreek.blog.ss-blog.jp/2018-08-07)を使った機関車の製作記の続報です.既に2輌の機関車を製作しています(PlaPowerを使った2輌の内燃機https://karatcreek.blog.ss-blog.jp/2018-08-13)が,新たに3輌が増備されました.
写真の5輌のうち後の2輌が旧作,手前の3両が新作になります.
 
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まずはこのへんてこりんな巡察車から
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下回りはプラパワーの初期の試作品で,軸距は24㎜,Hornbyのスポーク車輪は直径12.7㎜です.何に使うかも考えずに作ってあったもので,少し変わったものに利用することにしました.
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現場の車庫でまとめた両運転台の箱型車輛で人員輸送や貨物車牽引も担う巡察車という想定です.特に意識したプロトタイプはないのですが,北海道簡易軌道の自走客車やスイス電機の塗色がイメージにあります.
車体は外側が0.3㎜厚でリベット打ち,窓枠を兼ねて0.5㎜を裏打ちしています.
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車体を組みあげたところです.
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設計ミスがあって,動力側の外枠は作り直しました.
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今回初めて試したのが最近新しくなった水性ホビーカラーのエアブラシです.ワインレッドとシルバーを使いました.今までエアブラシはラッカー系を使っていたのですが,排気ダクトを使うとはいえ居室内で吹き付けせざるを得なくなり,水性を試してみることになりました.乾燥には少し時間がかかりましたが,特に問題なく塗装することができました.スプレー中というより,むしろ器具洗浄時に臭気が立ち込めることを考えると水洗いできる点が大きなメリットといえます.帯板もマスキングでエアブラシしましたが一部はみ出てしまい,タッチアップしてウェザリングを施しました.
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LEDは3mm径のものを使って双方向に配線し,モーター配線と接触するようにしました.
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はめ込み式の屋根を外して上から見たところです.
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完成した真横の姿です.
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この動力は建付けが悪いせいか特に音がうるさいのですが,大きなスポーク車輪の回転を眺めて楽しんでいます.

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小さな日本型単端をつくる [O-16.5mm (On30, O16.5)]

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 2007年に製作した作品で,日本型の典型的な単端式気動車を短くしたものです.動力には天賞堂のGTシリーズという現在は生産が中止されたパワートラックを使いました.強力なモーターがフレームに直接組まれています.一台ずつあった軸距24.5mmと31mmを使って2輌製作しました.
 
【設計】
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図面をみていただくと分かりますが,側面の窓配置は井笠鉄道の日車初期型ジ1をヒントにしました.ただし,ずっと小振りでドアの位置は左右対称です.また妻板は西大寺の梅鉢型のように雨どいに緩やかなカーブをつけたデザインにしました.また,2輌のうちの一両は九十九里の丸山型単端にみられるようなわずかに傾斜したラジエターグリルを付けてみました.
つまり,日車,梅鉢,丸山を寄せ集めて小さな木造の単端を仕立ててみたわけです.無骨なボンネットの方はフォードT型のエンジンを備えています.これは日本の初期の自動機客車に多く用いられています.設計を開始した頃にアルモデルから夷隅の自動機客車が発売されましたが,これより客室は大きく,旅客用としての役割は立派に果たしてくれると思います.小振りにまとめたかったので,縮尺は1/48のつもりで設計しました. 
 
【上まわり】
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 車体は筋目入り(V-groove)の板を用いることも考えましたが.型紙とあわせる手間があるので通常のプラ板を使用し,0.5mm2枚の重ね合わせとしました.3mmプラ角棒を補強として上端と下側に入れ,屋根と床板の支えにしています.木目の仕上げは80番のサンドペーパーで行いました.
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屋根はストックしてあるHO用の屋根板を使うことにしました.これをやすりやドレッサーを使って整形しましたが,木目が粗くサーフェサーを吹いただけでは木目が残っていました.パテによる補修が必要かとも思いましたが,アサヒペンのストーン調スプレーを吹いたところ,すっかり見えなくなり.それらしく仕上がりました.ストーン調スプレーはモルタルやコンクリート壁の表現に重宝していますが,Oスケールだと粗めの屋根の表現にも使えます.
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車体を組み上げたあとに,シル,ヘッダー,雨どいをつけますが,これらはエヴァグリーンの帯材を使いました.雨どいは車体上縁よりも0.5mmほどはみ出して取り付けており,これにより僅かに屋根板を落とし込む構造になっています.窓枠は0.3mmから切り出しています.当初は別塗色の予定でしたので,車体を組み上げてから取り付けています.変化をつけるために側面の窓の一部を開放としました.床板はプラ角棒にねじ止めしますが,屋根板のほうは真鍮の切れ端で固定用金具を作り,中央で木ねじ止めとしました.
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【ボンネット】
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 ボンネット部分はミニカーからの流用も検討しましたが,結局2輌の形状をかえてつくることにしました.まず,一両は無骨な垂直型ラジエターを備えたもので,側板は開放とし,エンジンが見える状態としました. Ford T型の4気筒ガソリンエンジンは初期の自動機客車の動力として使われていたもので,Ford T Inspection Car(SS Ltdキット)を動力化したときに余ったパーツを使いました.クランク軸がバンパー中央に貫通する状態で取り付けました.もう一両は九十九里の単端に見られるような1934年式以降のフォードに似た多少傾斜したラジエターグリルをまとめてみました.
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【下まわり】
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 床板には1mmプラ板を用い,段差をつけてパワートラックを固定する,いつもの方法です.軸受けはエコーモデルの貨車用で,平軸受のままとし,ブレーキシューの片側だけを残して使っています.また固定部の片側はパワートラックに当たるので切り落として取り付けました.
 パワートラックはフォードTエンジンの方が24.5mm,もうひとつが31mmの軸距のものを使用しました.
 排障器は当初路面電車用のものを付けてみましたが,もっと素朴なほうがよいかと考え直し,プラ角材でまとめました.
 
【仕上げ】
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 2色塗装とし,いつも使っている調色としました.フォードTエンジンの方は22号とし,西武ラズベリーと西武ベージュ,もう一両は23号とし,タミヤミディアムグレーとGM青15号の組み合わせです.つや消しスプレーを軽くかけたあと,ウェザリングをほどこしてあります.
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A2サイズのかたばみ軌道で撮った一枚です.国籍不明の車輛に混じって時々走らせています.
 
 
 


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Diema DS40のメタルキットを組む [O-16.5mm (On30, O16.5)]

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浅草で開催された鉄道模型市でChivers FinelinesのO-16.5ホワイトメタルキットをみつけました.
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Diema DS40です.天賞堂のパワートラックを動力に用いる英国製の内燃機のホワイトメタルボディキットは一時期たくさん出ていましたが,廃業したところもあり最近は少なくなりました.Chivers Finelinesも廃業していますが,Slimrailsが製品を継承しています.
さて,出展品にはパワートラック26㎜WBが付属しました.逆輸入品ですね.ただ,この車両は機械室が大きいので,低速走行が安定する減速比の大きい動力を使いたいところです.そこでアルモデルの2段減速の動力を採用することにしました.
 
Diemaはドイツのフェルトバーン向けに内燃機を供給した会社です.一族から分離したSchoemaは現在も盛業中です.直線で構成されているのでエッチング板や自作でも比較的作りやすい機種に思えます.武骨なデザインのドイツ型の中でもとりわけ硬いデザインだからか模型としての人気はありません.
 
キットのDS40 は6.6トンでオランダのレンガ工場で1991年まで稼働していたものを原型にしています.(NG&IRM Review誌 27号を参照)
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アルパワー2段減速動力(軸距26㎜)は機械室の中に余裕で収まりますが,床板は加工しました.
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前妻板も少し加工して,収まりを確認します.
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扉のないキャブで,瞬着による部品の接着で形は出来上がります.
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これがボディの組みあがりです.
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キャブ内には椅子とブレーキハンドルがつきます.
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床下にはブレーキシューやステップなどが付きます.
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運転重視のため,ナックルカプラー仕様に変更することが多いのですが,バッファービームがかなり厚いのでそのままにして下回りを組みました.
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動力は下側から取り付けるので下回りと上回りは一体でもいいのですが,取り外せる状態にしておきたいものです.
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そこで機械室のユニットとキャブ後部にはプラ材を入れて,ねじ止めできるようにしました.
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分解時を考慮し屋根は機械室側の妻板だけに接着する予定です.
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メタルプライマーを吹いた後,下回りはジャーマングレーの缶スプレー,上回りはサーフェサーを吹いた上に暗緑色をエアブラシしました.これで車体はねじ止めすると完成ですが,あと一仕事残っていました.
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内枠で車輪がむき出しなのが特徴ですが,調べてみると輪芯にはいくつかの形状があるようです.動力車輪は幸い輪芯部分が凹んでいて好きな形にできるので,写真から見つけた十字型の桟が入った形にしました.まずは底に落とす円盤をモーターツールで仕上げます.
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1.6㎜丸棒,ワッシャ,帯材を使って輪芯が出来上がりました.これが唯一,自作の見せ場ですね(笑).以上ですべて整いました.
 
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艶消しクリアの上にウェザリングを施して完成です.輪芯の雰囲気に満足です.側板の上部にある銘板はモールドされているので,サンドペーパーで擦って陽刻を浮かびあがらせました.
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ライト類は標準仕様についていないようなので当面は昼間運用専用です.
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キャブ側の妻板はそっけないです.
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1/43.5ですが,フレーム幅27.6㎜(1200㎜)とスリムなので他の車輛とも十分なじみます.
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ピン・リンク式のカプラーを使うバッファーですが,ナックルカプラーの車輛につなげたいときはペアーハンズの成形品が便利です,ただし,手元にあるのは成形不良ジャンクとして放出されたものですが十分に使えます.ピンには手作りアクセサリーパーツの貴和製作所のヒートンを使ってみました.
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重量もあり,低速で安定して走ってくれます.久しぶりにメタルキットを組みましたが,次はガラリと趣向を変えて車輛製作続行中です.


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タンク車,無蓋車,有蓋緩急車 [O-16.5mm (On30, O16.5)]

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久しぶりに貨車を組み立てました.タンク車,そしてアルモデルの軽便セタとワフです.
 
【タンク車】
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自作の下回りに,短くしたプラキットのタンクを載せたものです.
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下回りはいつもの構成です.1㎜の床板を3㎜角棒で補強し,軸受メタルを入れたエコーモデルの貨車用軸受を取り付けています.車輪は米国型の9.5㎜径を利用しました.
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タンクは5㎜の三角棒の桟と中央下に入れる3㎜棒で支えます.
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タンクはMDC/RoundhouseのOld Time Tank Carを利用しました.太い鋼製フレームに細身のタンクが載ったHOキットですが,下回りは別に使えるので,タンクを短くして使うことにしました.
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短くしたタンクの接合面を仕上げて土台に載せます.
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2輌つくりました.
 
【無蓋車セタ】
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アルモデルから最近発売された軽便セタ(2輌セット)のキットです.沼尻鉄道の貨車ですね.
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側板の帯板は位置決めしやすいように工夫されていて,仮止め用のねじで固定する部分が上部に突き出ていて固定後に切り落とします.
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妻板の帯板はエッチング板に並んでいます(左)が,印にしたがって一つ飛びに切り離す(中央)と上下二つに分割され,そのまま4本ずつ位置決めできます.
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ブレーキハンドルは一体の板(左)になっていますが,ハンドルの部分はオプションパーツを利用すると立体的(右)になります.
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コイルバネの軸受がついています.
 
【有蓋緩急車ワフ】
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セタと同時に発売されたのが同じく沼尻のかわいい緩急車です.
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角の部分にリベットで打ちつけられた補強版が印象的で,板にも彫られていますが,やはり別パーツ(右)を貼って立体感を出したいものです.
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セタも同様ですが,軸受の片方はイコライザーの凝った構造になっています.
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屋根も内側からねじ留めできる構造になっているのはありがたいです.沼尻では青色だったようですが,在庫の関係で,国鉄黄緑6号で塗装しました.
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沼尻の編成です.
 
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どれも転がりがよく,Bタンクの編成がよく似合います.


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